2020年の台風発生状況と今後について

2020.7.9配信

 今年の台風発生数は、6月までに2個と平年(上半期平均4.2個/1951-2017)に比べて非常に少なく、2016年の状況(2017年のポテチショック)に似ているような印象を持っています。

                                         (Source: 気象庁)

 2016年はインド洋全域昇温とエルニーニョの相乗効果で、夏前まではフィリピンHighが強化されていたことにより、台風の発生が抑制されていましたが、夏以降になると、全域昇温が終焉するとともにLa Ninaに転じことが、海面水温の上昇と下降気流の弱化を背景とした台風発生数の増加の要因の一つと分析したことがあります。 

<参考>

Ueda, et al., (2018, JMSJ)「Seasonal modulation of tropical cyclone occurrence …」

http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201805140000.html

植田・釜江(2018;天気)「2015, 2016年における台風発生数の季節的な変調」

https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2018/2018_11_0031.pd


                        異常気象解説「令和2年7月の梅雨前線に伴う大雨について」より抜粋


2020年の状況と2016年を比べると、2020年はインド洋の昇温が顕著であることが異なっています。場合によっては夏の期間も引き続き台風の発生が抑制される可能性もあります。いずれにしても、今年の夏以降の台風の発生数には、引き続き注目していく必要があると考えております。

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