*2000/7/31--------
ケマケザ副首相は、今日IFMとMEFによる停戦協議が再開されるもようであることを、昨晩明らかにした。これは、昨日ガダルカナル島西部アルリゴ地域で行われたIFM東部方面司令官と同西部方面司令官による合同会議の内容を受けて明らかにされたものである。ケマケザ副首相は、懸案となっているIFM3司令官の停戦協議への出席問題については、彼らは出席を拒否しているが、IFM東部方面スポークスマンのヘンリー・トバニに委任する意志を表していることを確認したという。ケマケザは、IFM司令官会議の内容を文書で首相とMEFへ送付した。これまで「中立地帯」として利用してきたオーストラリア鑑「トブルク」が明日(8月1日)ホニアラを出港してしまうので、中央政府は今日中に停戦協議を再開したい意向である。 *2000/7/30-------- ソロモン・タイヨーは、先週3人組の武装グループに漁船がジャックされた事件を受けて、当分の間(安全が確保されるまで)一本釣り操業を休止することを決定した。同社はソロモン諸島最大の水産会社で、同国の経済を担う主要企業のひとつである。これで、ガダルカナル紛争の勃発以来、ソロモン諸島における主要企業の操業停止は、ソロモン諸島プランテーション社(SIPL、アブラヤシ農園)、ゴールド・リッジ・マイニング社(金採掘)に次いで3社目である。 *2000/7/28-------- ケマケザ副首相は、IFMの3人の司令官を停戦協議に出席させるべく調整を行っており、彼自身直接3人に会っている。彼らは停戦協議への出席を拒否しているものの、停戦協議の進行を支持する旨の発言をおこなったという。3人はIFM東部方面スポークスマンのヘンリー・トバニに全権を委任する意向。 政府は、昨日、一昨年来続いているガダルカナル紛争の間に本来の居住域を追われたガダルカナル島民にたいする補償金(compensation)として、これまでに支払った300万ソロモンドル(約6000万円)の追加分100万ソロモンドル(約2000万円)を支払った。300万ソロモンドルは今年7月7日に、オーストラリア鑑「トブルク」上で行われた「コンペンセーション・セレモニー」時に支払われている。ウルファアル前政権は、居住域を追われたマライタ人にたいしては、昨年、総額2000万ソロモンドルを支払っている。
*2000/7/27-------- 今日予定されていた停戦協議が再び延期された。ケマケザ副首相によると、今回の延期は、MEFから名指しされている3人のIFM司令官たちとの協議のための時間をさらに与えるための措置であるという。その3人の司令官は、政府や警察が不逮捕を約束したうえで停戦協議への参加をもとめているのにたいし、あくまでも出席拒否の姿勢を崩していないようである。SIBCは、彼らの拒否の理由が「生命の危険」にあると報道している。
警察は、現在、3人の武装したMEFメンバーがマロヴォ・ラグーンでソロモン・タイヨーの漁船(「SOLTAI 68」)を襲った事件について捜査を行っている(しかし、MEFのある司令官は、犯人がMEFメンバーであることを否定している)。襲われた漁船は、サヴォ島付近で警察の巡視船「アウキ」に拿捕され、今日午前9:00にホニアラに到着した。その船は、昨晩7:00頃に、ウェスタン州マロヴォ・ラグーン内のビリー・パッセージ付近で操業していたところを武装した3人に襲われた。そして犯人グループは、船長に対して、ホニアラへ向かうよう命じたという。
火曜日(25日)の夜、4人の武装したグループが、ソロモン・タイヨー社の漁業基地があるノロの宿泊施設(residential house)を襲い、現金約20,000ソロモンドルと物品を奪って逃げたという。犯人グループが襲ったのは、日本人漁船員が使用している通称「オキナワ・ハウス」と呼ばれる施設である。襲撃されたとき、そこに日本人は1人だけ滞在していた(その他は休暇などで不在)。
*2000/7/25-------- 地方政府省のナザニエル・ワエナ大臣は、ソロモン諸島におけるすべての州(Province)は、現在も従来の地方行政法のもとにあり、いかなる州も「州」(State。これはProvinceよりも自治権が強いと理解されている)に転換していないと述べた。この声明は、ウェスタン州(Western Province)が、今年7月7日以降、「西ソロモン州」(State of Wetstern Solomons)と自称し始めていることにたいする反応である。この件に関し中央政府は、ウェスタン州政府との協議を続けることにしている。
MEFは、ホニアラ西郊のインデペンデンス・ヴァレイ付近で家屋20軒が焼き討ちされた事件に重大な関心を示していることを表明した。
*2000/7/21-------- 今日予定されていた第2回目の停戦協議が来週月曜日(24日)まで延期された。MEFリーダーのアンドリュー・ノリが、昨日の協議の中でIFMから出された停戦に関する提案にIFMの3人の重要人物が署名していない点に難色を示したためである。その3人の人物とは、IFM司令官のハロルド・ケケ、ジェセフ・サング、ジョージ・グレイである。月曜日までの延期は、彼ら3人が停戦協議に出席するための時間的猶予を与えたことを意味する。中央政府は、3人が協議に出席できるよう、必要な交通費(船外機用燃料代など)をIFM側に拠出した。また警察も、ケケとサングが停戦協議のために姿をあらわしても、逮捕しないことを保証した(この2人は昨年3月に保釈されたが、保釈条件を守らず逃亡した)。
MEFは、IFMの3人の司令官が停戦協議に参加できるよう、一切の戦闘行為を一時停止すると述べた。
パプアニューギニア政府は、同国のブーガンヴィル紛争の高まりの時にソロモン諸島へやってきた140人のブーガンヴィル島民を、土曜日(22日)にパプアニューギニア政府がチャーターした船で避難させることにした。彼らはホニアラの郊外および町中で暮らしていた。この措置は、先週末にホニアラ東郊のカカボナ地区でニューギニアのゴロカ地区出身者がMEFメンバーに殺され、斬首された事件を受けてとられたものである。
*2000/7/20-------- 停戦協議がオーストラリア鑑「トブルク」(Tobruk)上で、午後12:30に始まった。中央政府の停戦条件については、昨日(19日)、IFMとMEF双方に送付された。その内容については明らかにされていないが、ソロモン諸島放送協会(SIBC)取材チームによると、ホニアラにおける法と秩序のコントロールを警察に戻すこと、武装解除、ホニアラからの移動、ホニアラへの移動の制限を撤廃すること、平和監視などが含まれているものと推測される。停戦協議では、両武装集団からも停戦のための条件と要求が提示されるものとみられる。
MEFとIFMの司令官とメンバーが停戦協議に出席した。協議には、MEF側からは11人の司令官と4人の警察部隊関係者、そして「クーデター」を指揮したアンドリュー・ノリが参加し、IFM側からはガダルカナル西部地区に展開するIFMのスポークスマンをつとめるセチュエル・ケリー(元国会議員)と5人の司令官、ガダルカナル島東部地区を担当するIFMの9人の司令官とそのスポークスマンのヘンリー・トバニである。
オーストラリア鑑上で行われていた停戦協議は、木曜日(20日)午後3:30に終了した。SIBCのレポートによると、協議は緊張の中、IFM、MEFの司令官どうしは握手を交わさず、にらみ合う形ではじまった。今日の協議では、事前に中央政府から出されていた停戦条件に関する内容に対し、IFMとMEF双方からの意見を聞き、それぞれの要求する内容の提示をおこなった。両陣営は、明日の午前中に予定されている第2回目の停戦協議までに、今日の協議の内容をふまえた新しい政府提案や相手方陣営の提案内容を検討し、見解を表明することになっている。
停戦協議の共同議長をつとめたケニロレア卿(初代首相)は、「両陣営が今日示した気持ちが今後も続けば、今週土曜日の停戦合意調印は可能である」と述べた。
オーストラリアのドウナー外相は、ソロモン諸島における停戦合意が実現すれば、オーストラリア政府は和平プランへの具体的なオーストラリアの貢献のあり方をさぐるため、ハイレベルの代表団をソロモン諸島へ派遣する意向を明らかにした。
*2000/7/19-------- 約20ヶ月に及ぶガダルカナル島における紛争を解決するための歴史的停戦協議が、明日(20日)、ホニアラ沖に停泊するオーストラリア鑑「トブルク」上で実現することが確実となった。協議の議長は、ピーター・ケニロレア卿(オンブズマン、ソロモン諸島国初代首相)とポール・トヴア国会議長がつとめる。明日午前11:00に開始され、土曜日(22日)には停戦合意文書の調印を行う予定。停戦協議には、マライタ州のデイビッド・オエタ知事、ガダルカナル州のエゼキエル・アレブア知事のほか、両州から伝統的政治リーダーが1人ずつ参加する。そのほか、ソロモン諸島キリスト教協会(SIAC)やNGOの代表なども参加する予定。ソロモン諸島政府代表団は、ケマケザ副首相を中心に、5閣僚、それぞれの事務次官、検事総長、警察長官代理、首相特別補佐官(Sam Alasia)で構成される。
ガダルカナル島内から選出されている4人の国会議員(Johnson Koli, Tommy Chan, David Vouza, Hilda Kari)は、ガダルカナル島民にたいし、停戦協議に向けた政府の努力を支持するよう訴えた。
*2000/7/17-------- ケマケザ副首相は、今日(月曜日)、ホニアラ東郊のテテレでガダルカナル州のアレブア知事と会談し、停戦協議実現の可能性を再確認した。先週土曜日に、カカボナでMEFによるIFMメンバーの殺害事件が発生していただけにIFM側の硬化が懸念されていた。
*2000/7/15-------- 土曜日早朝、数人のMEFメンバーが、ホニアラ西郊のカカボナ地区で、IFMメンバー3人を射殺した。目撃者の話によると、殺されたうちの1人は、ガダルカナル島西部地区を担当するIFM司令官出会ったという。
*2000/7/14-------- ソガヴァレ首相は、ソロモン軍(Defence Force)の創設を検討しているが、それが実現した場合、現在のIFMとMEF双方のメンバーを軍に採用するプランを考慮中であることを明らかにした。これは、現在、銃を所持しているIFM、MEFの若者を通常の社会生活に復帰させるための試みであるとのこと。ソガヴァレ首相によると、IFMとMEFの武装解除を終えた後、彼らを教練施設に送り訓練し(軍事的なものだけでなく、軍務に必要な電気関係の技術、建設関係の訓練も含む)、その後ソロモン軍の任務につかせるという。もちろん、両武装組織メンバー以外にも、他の州からもリクルートする予定。ソロモン軍の創設は法律の改正などの手続きが必要になるので、すぐに実現するわけではないが、武装組織メンバーの社会復帰の道をつける意味からも、ソガヴァレ首相はなるべく早い時期にこの件の決着をつけたいもよう。
MEFは、ソガヴァレ首相が1週間以内の開催実現に意欲を見せる停戦協議に参加する条件を提示した。MEFリーダーのアンドリュー・ノリによると、まず第1に、IFMがソガヴァレ政権発足後に出した新政権不承認の声明を撤回すること、第2に、先週金曜日にガダルカナル州副知事が出した「コンペンセーションがガダルカナル側に支払われない限り、いかなる停戦協議にも参加しない」という声明の撤回、第3に、IFMのすべての指導者はいかなる停戦協議にも参加すること。もしこれらの条件を受け入れるなら、MEFと警察の共同部隊は協議に参加する用意があるのこと。
ケマケザ副首相は、IFMとMEFのリーダーたちと個別に会い、停戦協議実現に自信をみせた。今週、2人のIFMメンバーが入院中に射殺されたり、ガダルカナル島西部で殺人事件が発生するなど事態は険悪化しているが、ケマケザはそれらが決して和平プロセスを阻害するものではないと述べている。
警察の発表によると、過去2週間の間に、ホニアラの治安はさらに悪化しているという。中央病院におけるIFMメンバーの射殺事件だけでなく、罪のない市民に対する嫌がらせ、金品の略奪、車両などの盗難が増加しているという。今週だけでもすでに12台の車が盗難に遭っている。チャイニーズ・ストアも破壊され略奪されているところがあるという。警察は、犯罪者が町中を自由に往来していてもすでに取り締まる力はなく、MEFのリーダーや司令官はホニアラ市内における現在の治安悪化状況を深刻に受け止めるべきと述べている。MEFメンバーの中には、犯罪行為に手を出しているものもいるという。ホニアラ治安悪化についてはホニアラのフグイ市長も警告を発している。
昨日(木曜日)、ガダルカナル島西部ヴィサレ地区にあるカトリックのクリニックが武装した男に襲撃され、2人が死亡した。殺されたのは老人と若者1人ずつで、いずれも男性である。襲撃者はクリニック内部も荒らし、医薬品や無線機を奪っていったという。
*2000/7/12-------- ガダルカナル島内で戦闘行為を繰り返しているIFMとMEFは、停戦協議に参加することに同意した。ケマケザ副首相(紛争問題担当大臣)は、ガダルカナル州のアレブア知事から、IFMの司令官すべてが停戦協議に出席することを保証するという回答を得た。IFMの司令官はガダルカナル島内数カ所に分散しており、全員が集合するまでに3〜4日かかるもよう。ケマケザ副首相は、来週月曜日に再びアレブア知事と会談し、IFM司令官たちの動向を再確認する予定。順調にいけば、IFMとMEF両陣営を交えた停戦協議は、来週半ばにも実現する可能性がある。
政府は昨日、月曜日にホニアラのNational Referral Hospital で発生した2人のIFMメンバー殺害事件に対し、10万ドルずつ(計20万ドル)のコンペンセーションを支払うと発表した。政府の発表によると、先週行われたコンペンセーション儀礼によってはじめられた和解へのプロセスを断ってはならないという想いと、病院において政府の庇護のもとにあった人物を死なせてしまった責任から支払われることになったという。MEFはその殺人事件への関与を否定している。しかし、MEF以外のマライタ人による報復という疑いは否定できないと述べている。
ソロモン航空は、6月5日の「クーデター」以来停止していたブリスベン−ホニアラ間の定期航空便を、火曜日の便に限って18日から再開すると発表した。この措置は向こう3ヶ月間継続される見通しであるが、ソロモン航空は金曜日の便についても早急に再開したい考え。
*2000/7/11-------- ソガヴァレ首相は、明日にも「行動計画 2000-2002」を公表する予定。その最初の部分は、無効100日間の作業計画(法と秩序の回復、武装集団の武装解除、武装メンバーに対する不逮捕などのほか、金採掘事業やアブラヤシ農園、森林伐採事業の再開問題、ガダルカナルとマライタの学校再開問題)が述べられている。
昨日、IFMメンバー2人が病院内で射殺された事件は、国内に大きな衝撃を与え、そのような非人道的、冷酷きわまりない行為に対する非難の声が高まっている。
*2000/7/10-------- 今日、ホニアラのNational Referral Hospitalに入院中のIFMメンバー2人が、武装した3人の男に襲われ、院内で射殺された。殺された2人は、7月3日にアリゲーター・クリークで起こったMEFとの戦闘で重傷を負い、療養中だった。犯人がMEFのメンバーであるかは今のところ不明である。
ソロモン諸島中部(ガダルカナル島の南東、マライタ島の南に位置する)マキラ・ウラワ州のダニエル・ナフス知事は、先月末に、ソロモン諸島からの分離独立に関する決議をおこなったことを公表した。この決議は、州議会議員と同州選出国会議員との共同会議においてなされたものであるという。州政府高官もその決議の事実を認めた。発表によると、1978年の独立以来、中央政府は同州の開発を怠ってきた。そのため、我々マキラ・ウラワ州民は、自分たちの伝統(カスタム)や文化に適合する政府をつくり、州内にある手つかずの資源を自分たちの開発のために利用することを望んでいるという。ナフス知事は、マキラ・ウラワ州の人々は、犯罪分子によって支配される国家の一部でいることに耐えられないとも述べる。すでに、州政府は、州民の意志を反映させるために「独立のための作業委員会」(Independence Working Committee)を設置した。
*2000/7/9-------- ソロモン諸島政府は、金曜日のコンペンセーション儀礼に支払われた金の出所が、ソロモン諸島中央銀行とその他の国内の財源を用いたものであると発表した。ソガヴァレ首相は、現在の紛争を解決するためには、とにもかくにもまずコンペンセーションの支払いを行う必要があり、それが停戦に導く唯一の道であることを強調した。
政府は、明日(月曜日=10日)、ガダルカナル州のアレブア知事と会談し、IFMのすべてのリーダーに対し、今週末に予定されている停戦協議に参加する説得をおこなうよう要請する。ソガヴァレ首相によると、もう一歩のMEF側からは、金曜日に会談した際に、すべてのMEFリーダー(司令官など)が停戦協議に参加するつもりであるという意思表示を得ているという。今のところ政府は、今週木曜日か金曜日に停戦協議を開きたい考えだが、あくまでもIFM、MEF双方との調整次第で変わりうる。
*2000/7/8-------- ソロモン諸島政府は、1週間以内に停戦に向けた調印が可能であると述べた。それに関連して、昨日、ホニアラに停泊するオーストラリア鑑「トブルク」(Toburk)上で、IFMとMEFのリーダーを含む関係者による伝統的スタイルのコンペンセーションの儀礼が行われた。ガダルカナル島内に土地を所有しながら「不当に」IFMによって追放されたマライタ人と、IFMによって拉致され行方がわからなくなっているマライタ人の家族に総額300万豪ドル(180万米ドル)を支払われた。ケマケザ副首相は、この儀礼を和平プロセスの第1段階と位置づけている。
エア・ニューギニは、ポートモレスビー−ホニアラ間の定期便を、7月9日(日)から再開すると発表した。
ソガヴァレ首相は、新政権の行動計画を来週火曜日(7月11日)に発表すると述べた。その内容は、「民族紛争」の解決に向けた内容が中心になるとみられる。すでにケマケザ副首相(紛争問題担当大臣)は、ガダルカナル、マライタ両州の知事などの指導者やIFMのリーダー、MEFのリーダーとの会談を始めている。また政府は、IFMとMEFの武装解除を実行するための方策として、それら武装集団メンバーの不逮捕も検討している。
マライタ州のオエタ知事は、MEFに対し、オーストラリア鑑「トブルク」で予定されているコンペンセーション儀礼の結果を尊重するよう求めた。
ガダルカナル州のスティーブン・ジョージ副知事は、オーストラリア鑑上におけるコンペンセーション儀礼の際に、ガダルカナル州はコンペンセーションの支払いを受けることなしに、今後の停戦協議に臨むことはないと述べた。彼によると、ガダルカナル側が求めているコンペンセーションの中身は、まず第一に、「160万ソロモンドル」(この19ヶ月間に及ぶ紛争の間にガダルカナル人がマライタ人から受けた中傷に対して)、次に「150万ソロモンドル」(マライタ人のビジネスマン、Alex Bartlettによる論文の中でガダルカナル人に向けられた侮辱と脅迫に対して)、そして金額は後で追加するが、ホニアラにあるガダルカナル州政府庁舎やマラウ支庁舎に対する破壊行動に対するコンペンセーションも要求することになるという。ジョージ副知事によると、これらのコンペンセーションは、停戦協議出席の条件であると述べている。最後に、ジョージ副知事は、コメントの中で、ソガヴァレ首相の首相就任後の迅速な対応と、紛争解決へ向けたオーストラリア、ニュージーランド両政府の努力に謝意を表している。
*2000/7/7-------- 昨日、ガダルカナル州のアレブア知事とケマケザ副首相(紛争処理担当大臣)を中心とする中央政府代表団(そのほかに、フィリップ外相を含む閣僚5人)がテテレで会談した。その会談でアレブアは、ガダルカナル州は原則として、昨年IFMによってガダルカナル島から追放されたマライタ人に対するコンペンセーションとして、約100万豪ドルを支払うことに同意していることを告げた。これは中央政府が外国政府に求めている約5000万ドルのコンペンセーション用資金とは別のものである。
その会談の中でアレブアは、IFMが装解除の条件として国際監視グループのもとでの同時解除を求めていることを明らかにした。フィリップ外相は、コモンウェルス、とりわけオーストラリアとニュージーランドが中心的役割を担うグループを理想的な形態として要請することになると述べた。
*2000/7/6-------- オーストラリアのハワード首相は、ソガヴァレ首相の選出を歓迎する文書を送った。
ソガヴァレ首相は、明日(7月7日)の独立22周年記念日に、ガダルカナル州から要求されているstate government 制(現在のprovince制よりも強い自治権をもつ)導入に関する見解を発表する予定である。同時にウェスタン州政府とチョイスル州政府はそのシステムの導入を支持する声明を出す予定である。
*2000/7/5-------- 先月運航を再開したエア・ニューギニのポートモレスビー−ホニアラ線(週1便)が、ホニアラ・ヘンダーソン国際空港付近におけるIFMとMEFの戦闘行為が再び激化したことを受けて、運航を一時停止されることになった。現在、ソロモン諸島に向かう国際線の定期便はない。
*2000/7/4-------- 昨日午前4時頃、MEFは、ホニアラ・ヘンダーソン国際空港近くのアリゲーター・クリークにあるIFMの拠点(約150人が駐留)を攻撃した。この攻撃で少なくとも2人のIFMメンバーが死亡した。現在、同拠点はすでにMEFのコントロール下にある。MEFのアンドリュー・ノリによると、この攻撃は、今後マライタ人に対する誘拐や脅迫行為を行えば深刻なダメージを受けることになるという意味を込めた警告であるという。
MEFは、ソガヴァレ新政権が誕生した現在も、ホニアラの治安と秩序の維持に関する活動を警察と共同でおこなっている。ホニアラ以外のガダルカナル島内はIFMが支配しており、今後IFMはそれらの地域を拠点にゲリラ的活動を通じて、ソガヴァレ政権に抵抗していくものと思われる。
ソガヴァレ首相は、今週中にもIFMとMEFを交えた停戦協議を開始したいと述べた。先週IFMによって2人のマライタ人が誘拐されたことによって、ホニアラの東郊および西郊において両武装集団間の戦闘行為が再燃している事態を受けての発言である。ソガヴァレは、「法と秩序の回復は急務である。政府はすぐにも武装集団から要求されているコンペンセーションの要求に応えるべく、海外の支援者との協議をスタートさせるつもりである」と述べている。ソガヴァレ政権で新設された国民統合・和解・平和省のケマケザ大臣は、同省がIFMとMEF双方にコンタクトをとっているところであり、今週中にも和平協議が実現するというミ見通しをもっていると述べた。
*2000/7/2-------- IFMが、さきに行われた首相指名選挙の結果に対する公式な声明を文書で発表した。それによると、IFMは、その選挙が23対21であったこと、6人の国会議員(いずれも連立与党議員)がMEFの脅迫によって選挙に参加できなかったこと(飛行機のパイロットに対する脅迫を含む)から、選挙が著しく民主主義の原則に反したものであったと判断し、その結果を、すなわちソガヴァレ政権を正当なソロモン諸島の政府とは認めないと述べている。ソガヴァレ氏に対する嫌悪というよりも、あくまでもMEFによって「不正化」された選出過程に異議を唱えているとのこと。 IFMの立場については、次の7点を表明している。 (1)IFMはソガヴァレ政権を認めない。したがって、この政府とのいっさいの交渉を行わない。 (2)IFMはいかなる強制力もないところで選出された政府のみを正当な政権と認識し、交渉をおこなう。そのような政府ができるまで、IFMは現在のガダルカナル紛争、およびそれに付随する経済的、政治的諸問題に関する交渉を、この政権とはおこなわない。 (3)IFMは、不正な首相指名選挙によって選出されたこの政権を承認しないよう、国際機関および諸外国政府に要請する。 (4)IFMは、とくにオーストラリアおよびニュージーランド両政府、英連邦事務局、国連に対し、ソガヴァレ政権の承認をおこなわないよう要請する。 (5)民主主義の堅持を唱え、その上でこのような形で選出された首相を承認する外国政府あるいは国際機関は、偽善者となるであろう。 (6)新首相の承認はクーデターおよびその後のホニアラにおけるMEFの非合法的行為の正当性を認めることになる。 (7)IFMは、今回の首相指名選挙に対する不承認を表明するよう、ソロモン諸島国民に訴える。とくに、IFMは、首相選挙に脅迫によってホニアラへいけなかった議員の選挙区があるウェスタン州、テモツ州両地方政府および州民に対し、ソガヴァレ政権を承認しないよう求める。
*2000/7/1-------- MEFのアンドリュー・ノリは、今回選出されたソガヴァレ新首相を承認すると発表した。彼の政府との交渉のなかで和平の実現を積極的に模索すると述べた。
新首相に選出されたマナセ・ソガヴァレ(46歳)は、昨年1月までウルファアル政権の大蔵大臣であったが、政策の違いから連立与党を離脱し、今年1月にソロモン・ママロニ元首相が亡くなった後を受けて野党リーダーについた。ソガヴァレはすでにIFMとMEF双方から出ているコンペンセーションの要求と武装集団メンバーの不逮捕を実行する公約を出している。彼は選出後、「国民の結束と和解」を基本スローガンに、24時間以内に閣僚名簿を、1週間以内に向こう100日間の行動計画(法と秩序の回復、コンペンセーション問題、IFMとMEFの武装解除問題、不逮捕問題などを含む)を発表し、今年中に和平の達成を目標とすると述べた。
ソガヴァレが新首相に選出されたことを受けて、旧連立与党(SIAC)はウルファアル前首相を野党リーダーに選んだ。野党となったSIACは国会内で依然として過半数の27議席を擁している。
ソガヴァレ新首相はチョイスル州出身であり、マライタ州出身のウルファアル前首相とは異なり、ガダルカナル紛争に直接的には利害関係をもたない第3者的立場にある。しかし、実際にはMEFとのつながりが緊密であるとする見方が国内では根強い。IFMがソガヴァレをどう見るかが、今後の和平の行方を大きく左右するものと思われる(by H. Sekine)。
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