Ethnic Tension and Coup in the Solomon Islands

−2月分(2001年)−



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*2001/2/28--------

旧IFMのリーダー2人がウェスタン州都ギゾへ銃や弾薬を買い付けにいったという噂について、昨日、ソロモン諸島平和監視委員会のピーター・ケニロレア議長が、ギゾへ行ったジョセフ・サングとジョージ・グレイの2人から平和監視委員会の事務所でおこなわれた会議の席で事情を聞いて明らかにした。それによると、2人はソロモン政府の求めに応じてギゾへ向かったのであり、銃を買い付けに行ったのではないという。彼らは、昨年ギゾで発生した事件に関与したブーガンヴィル人のグループとの和解セレモニーに出席することになったという。旧MEFの司令官と警察部隊の代表は、噂が根拠のないものであり、また彼らのギゾ訪問が和解を目的としたものであったことに満足しているという声明を出した。

ホニアラのソロモンタイヨー本社は、今朝(2/28)から一時解雇者に対する退職金の支払いを開始した。ホニアラ本社とノロ・ベースでの支払いは、明日(3/1)まで続けられる。本社オフィスは、約3,000人の労働者が退職金を受け取ることになっていると述べている。彼らの中には、昨年一時解雇になった者、総支配人宅の掃除人や草刈りをおこなってきた人も含まれる。しかし、従業員の中には退職金の額について会社側との食い違いを主張する者もいて、彼らは明日(3/1)にもホニアラでそのことに関する話し合いの場をつくるという。元従業員の1人はSIBCのインタビューにたいし、退職金額の計算についての問題が決着着いていない現時点において、受給対象者は退職金を受け取るべきではないというコメントを発している。

フィジーのナンディにある同国の気象局の情報によると、サイクロン・ポーラが2/28朝にもヴァヌアツに接近する模様。サイクロンは約100ノットのスピードで勢力を保ちながら進んでいる。このままの進路で進むと、2/28か3/1にはヴァヌアツの中部および南部を暴風圏に巻き込む恐れがある。サイクロンは2/28午前9時現在、ポート・ヴィラの北西約180海里(約330km)にあり、東南方向へ約15ノット(約時速27km)で進んでいるが、明日には東南東に進路を変えてもよう。

アメリカ政府は、自国民に対し、ソロモン諸島への観光渡航を自粛するよう勧告を出した。ソロモンにおける政治的・民族的緊張状態が続いていることがその理由である。またアメリカ国務省は、ソロモン国内に残っているアメリカ人に対し、自らの身の安全にたいし十分に注意するよう声明を出した。過去2年間続いた民族対立はソロモン諸島経済を崩壊させ、法と秩序の維持にも影響が出ている。国務省によると、昨年和平合意が調印されたにもかかわらず、現地の警察は首都ホニアラの治安を回復することができていないと指摘している。

*2001/2/26--------

ソロモン諸島政府は、今年度予算のために8億4,000万ソロモンドル以上を必要としていることを、今日(2/26)開かれた海外援助機関・国との会議で明らかにした。予算案では、歳入として1億8,900万ドル、支出に4億6,300万ドルが見込まれ、不足分の約2億8,000万ドルを海外からの援助金でまかなう必要があるということである。開発のための予算としては、5億6,360万ドルを開発計画や、平和の促進と秩序の回復を目的とするプロジェクトのために必要とする。政府の大蔵官僚は、海外からの支援が得られれば、現在の経済危機から立ち直ることができると述べる。それに対して、援助機関・国側は、ソロモン諸島政府自身の自助努力を条件としている。

援助機関・国は、2年間に及んだ民族紛争後のソロモン諸島の建て直しへ向けた支援についての同国政府からの要請内容に対して、次のように反応している。イギリス政府は初等教育分野に対し700万ソロモンドル以上の援助をおこなうことを明らかにした。今週にも調印が行われる予定。その他の援助機関・国についても、まもなく支援内容が明らかにされることが期待される。

コミュニティ・ベースの大規模な植林計画がウェスタン州で進行中である。この計画が実現すれば、今後15年間で、関係するコミュニティに数百万ドルの収入をもたらすことができるという。計画はクリスチャン・フェローシップ・チャーチ(CFC)のイニシアティブでおこなわれてきた。ムンダをベースにする森林事務所の役人は、すでに200ヘクタール以上にわたって植林が、ニュージョージア島ロヴィアナ地域やレンドヴァ島、テテパリ島、パパラ島のコミュニティによって行われている。

*2001/2/22--------

来週月曜日(2/26)に、ソロモン諸島政府高官と主要援助国・機関との会合がもたれる予定である。この会議の目的は、タウンスビル和平合意とマラウ和平合意という2つの合意が調印されたことを受け、和平と和解の進展状況について、援助国に説明することである。政府は、その席で、2001年度政府予算の概要もあわせて明らかにする予定。また、ソロモン諸島中央銀行は、政府の財政的、マクロ経済的諸問題や方針などについて、政府および援助パートナーに説明する。会議には、アジア開発銀行、世界銀行、IMF、EU、UNDP、そして2国間援助を実施している国々が出席することになっている。

*2001/2/21--------

ホニアラにある外国公館は、これまでに車両や備品類の盗難にあい、数千ドルの被害を受けているという。とくに被害が大きかったのは、EUのミッションで、車両、ボート、船外機など合わせて50万ドル相当にのぼる。台湾の農業ミッションは、車両2台を失い、捜査の結果それらは旧武装メンバーに売却されていることがわかった。そのほかにも、民間企業も乗用車やトラックが盗まれている。警察は、首都における法と秩序の回復のための集中的な行動を通じて盗難にあった車両などの捜索を続けているが、発見され、返却された台数などについてはまだ明らかにされていない。

*2001/2/20--------

ウェスタン州政府は、ニュージョージア島ノロにおける操業を早急に再開すべく、準備作業を急いでいる。同州のリロ知事が今日(2/20)、ラジオを通じて明らかにしたところによると、これまで知事自身が中央政府、資源所有者(親族集団)、ソロモンタイヨー経営陣との間を仲介するイニシアティブをとり、操業に関する話し合いを先週ノロとムンダでもったという。ウェスタン州政府は、ソロモンタイヨーの後を受けて設立される新会社に対し、中央政府が提示する49%所有という条件を受け入れる意向である。

世界SDA教会(World Seventh Day Adventist Church)のトップであるDr.Jan Paulsenは、依然として銃器類を所持している旧武装組織のメンバーに対し、早急に当局へそれらを引き渡すよう訴えた。Dr.Paulsenは、武器類の所持は安全のレベルを象徴するものであり、現在の和平へ向けた努力に水を差すものであると述べる。

50人以上のウェスタン州政府の役人が、昨年の民族紛争の高まりのなかで業務についていた事に対し、危険手当を支給するよう求めている。

ソロモン・テレコム(ソロモン諸島唯一の通信会社)は、中央省庁が使用する電話回線のうち、重要性にかけるとみられる回線を停止すると発表した。中央政府はこれまでに、約500万ソロモンドルの電話料金を滞納しているためである。

*2001/2/16--------

コミュニティ・リーダーとソロモン諸島平和監視委員会の合同会議は、昨年12月にも実施した全国規模の禁酒令を再施行するよう求める声明を出した。この会議には、教会、ビジネス、NGOなどからの70人を含めておこなわれ、アルコールが国内の、とくに首都ホニアラの無法ぶりを助長していることに見解が一致した。会議の議長であるケニロレア卿(初代首相)によると、現時点において、政府はこの要求に対して回答をよせていないという。

*2001/2/8--------

ソロモン諸島のラプリ総督は、ニュージーランドの祝日(ワイタンギ・デー)のセレモニーでスピーチし、2年間に及ぶソロモン諸島の民族紛争の影響が国民の生活や夢をうち砕き、国民に向けた政府の行政サービスや法と秩序が最悪の状態に陥ってしまったこと、議会制民主主義や経済が崩壊寸前にまで追いつめられたことを述べた。

ガダルカナル州のアレブア知事は、昨日(2/7)調印されたマラウ和平合意を歓迎する旨の声明を出した。アレブアは病気療養のためここ数週間ギゾにとどまっているが、つねに和平交渉の行方に注目し、合意案作成にも深く関与してきた。彼は、アレアレ語(マライタ島南部の言葉)、ガダルカナルの言語いずれを母語にする人びとに対しても、マラウ地域の平和と安定の回復に一致協力して取り組むよう、呼びかけた。また、アレブアは、言語や文化的背景が異なっても、マラウの人びとはすべて「ガダルカナルの人びと」であることに変わりはないとも述べている。

旧マラウ・イーグル・フォースとIFMのメンバーは、和平合意に基づき、30日以内に武器、弾薬、盗品を放棄するよう求められた。これは、昨年10月に締結されたタウンスビル和平合意の内容にも沿うものである。

*2001/2/7--------

マラウ和平合意が、ホニアラに停泊するオーストラリア鑑「トブルク」上で調印された。調印は、首相同席のもと、紛争当事者集団、ガダルカナル州政府、中央政府の代表者によって行われた。ケマケザ副首相(紛争問題担当)は、和平合意を受けて、真の和平への道のりはまだまだ遠く、すべての人による努力が必要であるが、互いのカスタムや伝統を尊重しあうことの重要性を強調する声明を出した。

ガダルカナル州政府が、現在よりも強い自治権をもつとされる「州」(state)への移行に対して、昨年ブアラでおこなわれた全国知事会議以降、そのトーンが下がっていることに、ガダルカナル島民の中から非難の声があがっている。そもそもこの一件は民族紛争の発生原因のひとつであり、ガダルカナル州はつねに「州」化問題の先頭を走っていたはずなのに、その準備作業に関してウェスタン州に遅れをとっている。州政府関係者は、州民に対してこの問題についての現状の説明をする必要がありそうだ。

*2001/2/2--------

昨夜、ホニアラのホテルが襲われ、フィジー人女性が銃で撃たれ、病院に収容された。警察は、その女性が、警察とホテルに逃げ込んだ銃所持者との間で発生した銃撃戦の巻き添えで負傷したことを確認した。銀行の店頭業務拒否の決定を受けて警察は、現在、ホニアラで多発している銃所持者による犯罪に対し徹底的な取り締まりをおこなうことにしており、今回の銃撃戦もその一環であったという。警察による秩序回復と信頼回復が求められている。

首都における警察の犯罪撲滅行動の開始は、ホニアラ住民にその反動の恐怖を抱かせた。2/1の街の中心部では、商店は数時間遅れで恐る恐る徐々に開店したという。CBSIは、すべての市民に対し、銀行と銀行のスタッフ、その財産の安全を保つよう呼びかけ、当面、安全が確認されるまで業務を再開しない声明を発表した。さらに、2/1の昼前に、ソロモン諸島唯一の電話通信業務を行っているソロモン・テレコムはオフィスの閉鎖(店頭業務の停止)を発表した。警察は、市民に対し特別の警戒をよびかけ、犯罪者に警察による厳しい取り締まりがある旨の警告をおこなった。

昨日業務を一時停止していたホニアラにある商業銀行は、今日再開した。この再開は、武装集団の司令官によって安全を保証されたことによるものである。しかし銀行側は、今後も脅しやいやがらせが銀行に対して行われた場合、直ちに業務の停止措置をとると述べた。