*2000/8/27--------
ガダルカナル州とマライタ州、MEFとIFM間の和平会議は、明日(8/28)にホニアラに停泊するニュージーランド海軍鑑「テ・カハ」上で開催される予定であったが、ガダルカナル州政府とIFMから法律顧問を変更する要求が出されたため、延期となった。 国家和平会議(National Peace Conference)が、今日(8/27)午後、様々な問題の解決策を協議して終了した。協議には、和平プロセス、恩赦、武装解除、法と秩序、和解、統治システムの問題が含まれていた。そのほかには、土地、コンペンセーション、国内移動、復興、教育などのテーマも話し合われた。この会議の目的は、建設的で継続的な和平を実現する和平プロセスのための枠組みづくりであった。すべての州からの150人と、ホニアラの市民組織(教会、女性団体、コミュニティ・リーダー、チーフ、ユース・リーダーなど)の代表も出席した。この会議は、ニュージーランドの「テ・カハ」鑑上でおこなわれた。
国家和平会議は、現在のホニアラの秩序状態に言及し、警察に対しその回復を最優先課題とするよう求めた。そしてそのために、国際的な警察組織の協力を求めるべきという見解を示した。
*2000/8/24-------- 中央政府は、今日(8/24)、ガダルカナル州政府に対し、170万ソロモンドル(約340万円)のコンペンセーションを支払った。そのうち150万ソロモンドル(約300万円)はガダルカナル紛争期間中に村を出ることを余儀なくされたガダルカナル島民に対する補償金(650万ソロモンドル)の一部として(残り500万ドルはすでに支払われている)、20万ソロモンドル(約40万円)は先月ガダルカナル島西部ヴィサレ地区で殺害された2人のガダルカナル島民の死にたいするコンペンセーションとして支払われた。この支払いを受けて、ガダルカナル州のアレブア知事は、ガダルカナル島西部に駐留する両武装集団に対し、このコンペンセーションの支払いの事実を尊重するよう訴えた。アレブア知事は、「もしケマケザ副首相の実弟誘拐事件がヴィサレ事件と関係しているのなら、コンペンセーションの支払いを受けた今、すぐにも彼を解放しなければならない」と、犯人グループに訴えた。
明日(8/25)、ホニアラに停泊するニュージーランド海軍のフリーゲート鑑「テ・カハ」において、和平会議(National Peace Conference)が行われる。この会議にはソロモン総督ジョン・ラプリ卿のほか、各州およびホニアラからの代表者計150人が出席する予定である。会議では、ソロモン諸島の和平実現のためのさまざまな提案が行われる見込み。
ホニアラで行われていた「より強い自治権を持つ州政府への移行と脱中央集権」に関するワークショップにおいて、参加者の大多数がstate government制への移行を容認した。参加者の多数は、「国民がそれについてよく認識していないとしても、今まさにその新しいシステムを試す時期に来ている」と述べたという。
*2000/8/23-------- ガダルカナル州のエゼキエル・アレブア知事が、IFMとMEF間の合意事項の遵守を監視するために、中立的な外国軍の関与の必要性を繰り返し述べている。とくに彼は、ソロモン諸島を訪れていたアジア太平洋・カリブ海諸国代表団との会談においても、その点を強調していたという。
アレブア知事は、ガダルカナル州都をホニアラからマラウへ移転することを検討中である。6月5日のMEFによるホニアラ占領以来、州政府の業務は、ホニアラ東郊バラスナ川付近に臨時庁舎を建て業務を行っている。
*2000/8/22-------- MEFは、明日(8/23)、中央政府に対し和平策(Peace Package)の提案を行う予定である。それは将来の安全やマライタ人の経済的、政治的利益に関する内容も盛り込まれているという。また、MEFは、先週末に発生したホニアラ東郊アリゲーター・クリークで発生したIFMによる2件の武装襲撃事件について報告するよう、停戦監視委員会に求めた。MEFと警察部隊の連合組織のスポークスマンをつとめるアンドリュー・ノリは、IFMの東部、西部両軍の司令官に対し、それぞれのメンバーがMEF占領地域に侵入しないよう求めた。IFM東部方面の司令官、アンドリュー・テエは、先週末に発生した事件に彼の部隊が一切関与していないと述べている。
武装した10人のIFMメンバーが、昨日(8/21)午前7:00頃、サヴォ島にあるアラン・ケマケザ副首相(紛争処理担当大臣)の出身村(Leqalau)を襲撃し、副首相の4軒の家屋を焼き討ちし、中にあったものを略奪した上に、彼の弟を拉致し、ガダルカナル島西部ヴィサレ地区へ連れ去ったという。最近、IFMは、MEFがヴィサレ地区を襲撃したことに対し、ケマケザ副首相を非難していた。しかしケマケザは、「MEFのヴィサレ襲撃は、あくまでもIFMがカカボナ地区でMEFメンバーを殺害したことへの復讐であり、そのことは誰もが知っている」とのべ、IFMの今回の行動を非難した。ケマケザ副首相は、弟の一刻も早い解放を訴えている。
停戦監視委員会は、ホニアラ東郊地域におけるIFMとMEFそれぞれの占領域の停戦監視を開始した。メラネシア教会からの監視委員は、アリゲーター・クリークにあるMEFの陣地の東側テナル地区と、IFMの占領下にあるンガリンビウ橋の東側に展開する。彼らは、停戦監視はもちろんのこと、地域住民に停戦の進行状況の説明をおこなったり、住民から停戦条項に違反した行為を目撃した場合の通報(停戦監視委員会へ)を求める。
*2000/8/21-------- 停戦監視委員会は、今日、8月19日夜にホニアラ東郊のアリゲーター・クリークで発生した停戦合意条項に違反する行為について調査した。その報告によると、MEFとIFMは、19日夜、IFMがアリゲーター・クリーク地域にあるMEFの陣地構築物を突破した後に、約3時間にわたって銃撃戦を展開したという。その後、MEFは陣を奪還している。停戦監視委員会の共同議長を務めるケニロレア卿は、20日、事件の発生したとされる現場に赴き、その事実を確認した。しかし、IFMの東部方面司令官であるアンドリュー・テエは、IFM東部方面のメンバーがそのような銃撃戦に荷担した事実はないと述べている。彼は、銃撃戦があったのなら、それはMEFと第3者的な別のグループとの間で行われたことであろうと述べている。
アジア・太平洋・カリブ海地域諸国の8人の大臣からなるソロモン諸島の現地視察ミッション(団長・パプアニューギニア外相のジョン・カプティン卿)が、8月20日にホニアラに到着した。彼らはソガヴァレ首相他、野党リーダーのウルファアル前首相やオティ前国務大臣(首相補佐官)、警察長官代理、IFMとMEFの代表、NGO代表らとも会談する予定である。ミッションのその他のメンバーには、ヴァヌアツのSerge Vohor外相、サモアのFiami Naomi Mata'afa教育相も含まれている。
*2000/8/18-------- NGO諸団体は、ソロモン諸島の社会の安定化をはかるための行動計画を実行に移し始めた。この計画は、「Capacity Building, Reconciliation, Rehabilitation and Sustainability of Peace」と呼ばれる。この計画の開始セレモニーにおいて、政府のエリック・クワライ内務大臣は、それが政府の100日計画に合致するものであるとのべた。
*2000/8/9-------- MEFは、今日(8/9)早朝、昨日ホニアラ西郊で発生したIFMによるMEFメンバー殺害に対する報復行動を開始した。
*2000/8/8-------- 停戦監視委員会は、この日発生したMEFメンバー殺害事件について、今週木曜日(8/10)にガダルカナル州知事およびIFM東部司令官のアンドリュー・テエ、同スポークスマンのヘンリー・トバニと協議すると発表した。同委員会は、その協議の後、IFM西部地区の司令官たちとも協議の場を設ける予定である。
中央政府は、先月はじめにホニアラ西郊で発生したIFMによる2人のマライタ人の誘拐および殺害事件について、20万ソロモンドルのコンペンセーションを支払うと発表した。ケマケザ副首相がその小切手を、被害者の遺族の代理として北マライタ地区選出の国会議員へ手渡した。遺族は、この支払いによって、今後この件について禍根を残さないことを政府に保証した。
先週土曜日(8/5)に発効したばかりの停戦協定が、今朝(8/8)10:30頃、ホニアラ西郊で発生したMEFメンバーの殺害によって、早くも破られた。MEFスポークスマンのアンドリュー・ノリによると、停戦合意以降も、IFMメンバーは、合意の中でMEFに保証されたMEF支配地域(今回の殺害事件のあった場所を含む)に居座り続けていたという。ノリは、この事件を受けて、ホニアラ西郊地域に限り、対IFM戦(「鷲の襲来」作戦 Operation Eagles Storm)を再び復活させると述べている。MEFと警察部隊の合同委員会は、今回の事件を首相特別補佐官に報告した。それを受けて停戦監視委員会が急遽招集された。
テモツ州は、今日(8/8)、従来の州(province)から自治政府への移行と、12ヶ月後の分離独立を独自に宣言した。テモツ州政府によると、同州はソロモン諸島独立以来どの政権によっても、あらゆる公的部門においてまともな扱いを受けてこなかった。首都からの輸送手段の困難さは、貧困状態を招いてきたし、その状況は悪化するばかりだという。
*2000/8/6-------- サム・アラシア首相特別補佐官をリーダーとする中央政府代表団が、昨日(8/5)、ホニアラ東郊のンガリンビウにあるIFMの拠点を訪問した。そこには、IFM司令官のアンドリュー・テエのほか、約100人のIFM兵士が駐屯している。代表団との会談の中でテエは、IFMが停戦合意内容を尊重することを再確認する発言を行った。代表団は、その後、テテレやバリスナなどのSIPL(ソロモン諸島プランテーション社)農園地区の現状を視察した。
*2000/8/4-------- さきに調印された停戦合意が、明日午前1:30に発効する。それにともない、合意内容に基づき、これまでホニアラをコントロールしてきたMEFと警察の連合部隊に代わり、警察部隊(Royal Solomon Islands Police Force)のみがホニアラの治安維持にあたる。警察高官によると、現在もホニアラには夜間外出禁止令(夜10:00〜翌朝5:00まで)が出されているが、それを解除する前に、警察による状況のコントロールを確保する必要があると述べている。
明日(8/5)、オーストラリア政府のハイレベル代表団がホニアラ入りし、停戦合意後のソロモン諸島の和平プロセスに対するオーストラリアの支援のあり方について協議する。代表団は、ソガヴァレ首相のほか、MEFおよびIFM双方のスポークスマン、ソロモン諸島キリスト教協会(SICA)やその他の組織の代表者との会談も期待している。
*2000/8/3-------- IFMのリーダーたちは、今日(8/3)未明、ガダルカナル島西部アルリゴ地区で停戦合意文書にサインした。MEFのリーダーおよび司令官たちは、すでに昨晩、オーストラリア鑑「トブルク」上でサインしている。ケマケザ副首相は、IFM側から、IFMスポークスマンのヘンリー・トバニのほか、最高幹部のアンドリュー・テエ、ハロルド・ケケ、ジョセフ・サング、ジョージ・グレイがサインしたことを確認した。IFM幹部たちのサインの事実に対しては、ガダルカナル州のノーレン・レニ副知事が証人としてサインしている。この停戦合意内容は、今週土曜日に発効する。
停戦合意が達成されたことを受けて、MEFのアンドリュー・ノリは、マライタ島にいるMEFメンバーの親たちに向けてメッセージを発し、近日中(もしくは数週間のうち)に彼らがMEFを離れて帰島すると述べた。これは、合意内容に従い、ホニアラにおけるMEFの規模を大幅に縮小することを意味する。しかしノリは、MEFメンバーの帰島は、「解散」を意味するのではなく、状況に応じて一時的なものになる可能性も示唆した。
*2000/8/2-------- MEFのリーダーおよび司令官は、今日、ホニアラに停泊する「トブルク」鑑上で停戦合意文書にサインした。その調印式の冒頭部分には、停戦協議の共同議長を務めたピーター・ケニロレア卿、ポール・トヴア国会議長、メラネシア教会大司教のエリソン・ポゴ師も参加した。停戦合意文書は、夕方、IFM最高幹部のサインを得るためガダルカナル島西部アルリゴ地区へ送られた。
IFM司令官のアンドリュー・テエは、「この停戦が国民の望むものであるなら、私はよろこんでサインをしよう」と述べ、停戦合意が調印されたことにたいへん満足していると述べた。
昨日予定されていた停戦合意文書への調印は、今日(8/2)まで延期された。当初、昨日の午後1時に調印式が行われると発表されていて、地元のメディアもオーストラリア鑑「トブルク」への乗船準備を整えていたが、開始時間が3時30分に延期され、そして最終的に1日延期されることになった。サム・アラシア首相特別補佐官の発表によると、IFMとMEF双方は依然として合意文書の内容に関する協議を行っており、とくにIFMの代表団は最終的な合意内容をガダルカナル島西部アルリゴ地区にいる司令官に打診する作業に手間取り、延期となった。
*2000/8/1-------- IFM、MEFおよび政府は、停戦合意文書作成の最終段階に入っており、今日の午後にも調印される見通しである。停戦協議の共同議長を務めるピーター・ケニロレア卿は、SIBCによる今朝のインタビューで、今日、調印前の合意案の検討を行うとのべた。また彼は、IFMとMEF間には、各派の勢力範囲の問題や懸案となっている停戦監視委員会の問題において隔たりがあったが、昨日の協議において解消されたことを明らかにした。両武装集団ともに、停戦監視団をおくことに合意している。停戦監視委員会は、外国の監視団を迎え入れるかどうかについての判断もおこなうことになる。IFMの3人の司令官は結局協議に出席しなかったが、今日行われる予定の調印式の後に、合意文書はガダルカナル島西部に運ばれ、彼ら3人(Harold Keke, Joseph Sangu, Goerge Grey)のサインを加えることになっている。停戦合意内容は、調印後48時間で発効する。
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