50周年を迎えた育林研の今
私たちの育林研が50周年を迎えました。1997年11月から育林研に所属となりました私にとっては、現在までに至る育林研の先生方、技術職員、事務職員、非常勤職員、修了生、卒業生、様々な形で所属していた学生の皆様のおかげと思っています。皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
育林研の今ですが、学生も教員も多くとても賑やかで活発です。この寄稿文では、50周年を迎えた育林研の今を皆様にお伝えしたいと思います。まずは、今の育林研の枠組みを紹介させてください。研究室の名前ですが、大学の公式サイトとしては育林研という研究室の名称はありません。研究指導は基本的には個々の先生が、関連する先生の協力を得ながら研究指導をするという体制だからです。私たちの育林研は、育林学研究室、育林学・自然保護学研究室という伝統的な枠組みを守り、活用してきた“研究室”です。
教員と学生の状況を紹介します。教員メンバーですが、生命環境系の教員7名(上條隆志教授、松井哲哉教授(連携大学院)、谷尚樹教授(連携大学院)、清野達之准教授、津田吉晃准教授、川田清和助教、飯島大智助教)と芸術系の教員1名(澤田聖人助教)からなり、津村義彦名誉教授も現役メンバーです。当然学生数も多く、博士後期課程学生が20名、博士前期課程学生が23名、学類生が11名です。学生メンバーは、生物資源学類、生物学類、生物資源科学学位プログラム、山岳科学学位プログラム、農学学位プログラム、生物学学位プログラムからなります。ポスドクは2人です。また、修了生2名が、技術補佐、リサーチコーディネーターとして、研究や関連する教育活動を補佐してくれています。一方、ゼミの方ですが、森林ゼミ、動物ゼミ、津田先生ゼミの三つで行っています。また、森林ゼミと動物ゼミはそれぞれに複数の先生が参加する形式で実施しています。
育林研の特徴の一つは、演習林を担当する教員が構成員に含まれるとともに、それを研究・教育活動に活用してきた点を上げることができます。以前と変化した点は、菅平高原実験センターと演習林を包括する山岳科学センターが設立されたこととなります。現在、津田先生、清野先生、川田先生が、それぞれ、菅平、八ヶ岳、つくば実験林を担当しています。また、井川演習林の実習に参加された方もいると思いますが、砂防学を専門とする山川陽祐先生が担当されており、八ヶ岳、井川、菅平とも健在です。
研究活動の方ですが、教員も多く、極めて多岐です。対象とする生物は樹木・植生から野生動物まで、フィールドは陸域から河川・沿岸まで、世界の調査地は台湾・モンゴル・インドネシアから北アフリカのチュニジアなどまで、国内の調査地は全国からつくば市内まで、手法はフィールドワークから遺伝解析までとなっています。教育活動も多岐にわたりますが、演習林や菅平高原実験センターを活用した実習も継続的に実施されています。
以上、良いことばかり述べてきましたが、もちろん、課題も山積みです。これからも、多くの人たちの協力や温かい見守りを活力として、元気な育林研が続くよう、努力してゆきたいと思います。
筑波大学 生命環境系 教授 上條隆志(育林研)