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八丈島エクスカーション報告

 9月28日・29日に伊豆諸島八丈島において伊豆諸島植生研究グループによる八丈島植生セミナーと自然観察会が行われました。今回は筑波大学の上條先生、東京農工大学の星野先生が講演と植物観察会を実施しました。 今回は28日の夜に行われたセミナーについて報告します。


上條先生は、八丈島の植生誌作成について話されました。植生誌の作成が地域の植物や動物を保全するのに重要であることについて、茨城県における保全活動の事例を紹介し、八丈島を含め伊豆諸島の貴重な植物また自然を守ることに植生誌の作成が重要だということを話されました。上條先生自身は八丈島において博士論文を取り組んだこともあり、八丈島はとても思い入れがある島だということを島の方に伝えていました。


また伊豆諸島植生グループのメンバーである都立隅田川高校の八木先生による新島自然愛好会の活動、前神津高校の石橋先生による七島花の会の活動について簡単に紹介がされました。


星野先生は、地理的に明らかに区別される種や自然群集、環境を持つ地域として伊豆諸島は重要な場所であることを話された。このことについて、伊豆諸島の植物の形態変異や、伊豆諸島の固有の種また群落などについて紹介されました。説明の際に会場では、タマアジサイやテイカカズラの葉、トゲがないタラノキの標本が回り、島民の方は本州と伊豆諸島の植物の違いについて、実物を見て改めて実感していました。講演後は質疑応答も交わされ、とても充実したセミナー内容となりました。


私自身八丈島に行くのは初めてであり、28日の日中に八丈富士に登りました。そこでは御蔵島と八丈島だけに分布するハチジョウコゴメグサや絶滅危惧種に指定されているハチジョウオトギリソウをはじめ、伊豆諸島に分布している植物を観察することができました。 このような貴重な植物を守っていくため、研究者と島の方同士の情報共有が大事ではないかと感じました。

文章:門倉由季,写真提供:黛絵美