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最近の学生の研究成果

COINS4年生が卒業研究で取り組んだテーマを継続して研究した成果をまとめた査読付き国際会議論文がベストペーパー賞を受賞しました.

Senri Yoshikawa, Shuji Sannomiya, Makoto Iwata, Hiroaki Nishikawa, "Pipeline Stage Level Simulation Method for Self-Timed Data-Driven Processor on FPGA," in Proc. of International Electrical Engineering Congress (iEECON2020), P1098, Mar. 2020. (2020 8th International Electrical Engineering Congress (iEECON2020) The Best Paper Award)

DDNA研究室の研究内容

☆データ駆動プロセッサを核とするネットワーキングアーキテクチャ

 データ駆動プロセッサは,データが揃った演算を実行可能とする,本来的に並列処理に適した動作原理を具現化したプロセッサです.このため,逐次型(ノイマン型)プロセッサの文脈切換えのようなオーバヘッドがなく,同時処理するパケット数などを示す多重度が実行時に増加しても,負荷が設計目標を超えない限り,ターンアラウンドタイムが一定に維持され,実時間処理を保証できます.したがって,トラフィック(≒同時処理するパケット数)の増加に対処して実時間制約を保証する必要があるネットワーキング処理に原理的に適したプロセッサです.このデータ駆動プロセッサを核として,ネットワーキング方式からVLSI実現法までにわたるネットワーキングアーキテクチャを研究しています.

☆最近の研究成果:データ駆動チップマルチプロセッサ(CUE-v3,ULP-DDCMP)

 CUE-v3は,データ駆動実行と制御駆動(ノイマン型)実行を同時に実現し,並列処理に適したデータ駆動プロセッサと,逐次処理に適したノイマン型プロセッサの双方の利点を取り入れることに成功した,ハイブリッドプロセッサを4個搭載するチップマルチプロセッサです.総務省戦略的情報通信研究開発制度(SCOPE)のプロジェクト「アドホックユビキタス通信環境向きデータ駆動ネットワーキングプロセッサの研究開発」(2006年~2008年)においてVLSI試作し,搭載するプロセッサ数に比例したスケーラブルな性能向上が実現できることを確認しました.さらに,平成19年度より独立行政法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)のプロジェクト「超低消費電力化データ駆動ネットワーキングシステム」(2007年~2012年)において,アドホックネットワーキング処理の超低消費電力化を目的に新しいチップマルチプロセッサの研究を行いました.具体的には, CUE-v3のハイブリッドプロセッサを電力効率よくシンプル化した超低消費電力化データ駆動プロセッサULP-CUEを提案して,その実証実験として4個のULP-CUEを搭載するチップマルチプロセッサULP-DDCMPをVLSI試作し,アドホックネットワーキング方式と合わせたネットワーキングシステム全体の消費電力を従来の1/180程度にまで削減できることを確認しました.

☆2013年~最近の研究活動

 現在は,通信を阻害する輻輳の発生を抑制できるディペンダブルなネットワーキング環境の実現をめざしています.具体的には,輻輳を誘発するトラフィック増加を抑えるため,経路制御により経路外のトラフィック増加を排除する通信と,経路制御情報によるトラフィック増加を排除する放送を,通信状況に応じて使い分けて融合的に利用可能とするように,アドホックネットワーク(端末同士が情報を直接授受するネットワーク)を発展させています.このために,(1)通信と放送を融合的に利用するアドホックネットワーキング方式と,それを実現するために不可欠な実時間処理基盤として,(2)超低消費電力性を持つULP-DDCMPを発展させたデータ駆動プラットフォーム,などを研究しています.

(国内特許取得済み,国内外特許出願中)

●設備

最新鋭のワークステーションやストレージ装置があり,ネットワークから回路レベルまでの各種設計・検証・評価作業に不自由しません.新たに配属される学生のために,十分な作業スペースと最新のPCを揃えて,待ってます.

●研究

極めて独自性の高いプロセッサの研究ができます.また,ネットワークから回路までにわたるシステム全体の構想や設計さらに検証や評価を経験できます.
参考動画を見るとデータ駆動プロセッサについて直感的に理解できます.

参考動画(動画にある試作センサノードは,研究室見学の際,手に取ってみることができます)
●雰囲気(所属学生より)

がんばって研究成果を出せば,国内外問わず随時発表に行けます.週一回ずつ,研究室内のゼミと他3研究室との合同ゼミがあります.少人数ゆえ,先生とのコンタクトが取りやすく,研究に集中しやすいです.一方で,ソフトウェア,ネットワークに精通した他研究室との合同ゼミ(SSHアライアンス)で建設的な議論を交わせるので,決して閉鎖的ではありません.そして,この研究室の最も良い点として,学生の意見は最優先に尊重されるため,研究の意欲があれば,あらゆる面で指導を受けられる上,自身のやりたいこととの両立が可能です(会社の運営やイベントの参加など).コアタイムなどはありません.

●SSHアライアンス(Security,Software,Hardware 研究連携グループ)

SSHアライアンス※と呼んでいる研究連携体制を構築しています.一部のゼミや勉強会などを共同で運営しています.分野横断的な交流や専門分野を広げる機会として活用してください.

※加盟研究室
セキュリティとソフトウェア研究室(佐藤 聡 准教授)
プログラミング言語研究室(中井 央 准教授)
サービスコンピューティング研究室(干川 尚人 准教授)
データ駆動ネットワーキングアーキテクチャ研究室(三宮)

●就職へのアドバンテージ

他の大学に加えて,国内の通信事業者やメーカーとの共同研究・開発に携われます.その中で,システム設計のノウハウの習得や作業業務委託先とのやりとりを通じた貴重な経験も獲得できます.また,この研究室で扱うプロセッサは極めて独自性が高いため,研究によっては特許の取得に携わることもできます.

●募集人員 2人

何かを創造したい人待っています!

●研究室説明会

日時:2024年10月8日(火)18:15から,2024年10月29日(火)18:15から
※どちらも同じ内容です.
※希望者には,これらの日時以外でも個別に説明します(15分から1時間程度).

場所:2024年度は現地(理科系棟D302)で行います.

個別の研究室紹介希望者は,下記メールアドレス宛に「研究室紹介希望」と一言メールしてください.具体的な日時を調整します.

また,研究室をちょっと見学したい,といったことも常時受け付けています.見学等を希望している方は,希望日を事前にメールしてください.

●お問い合わせ

E-mail: san(あっとまーく)cs.tsukuba.ac.jp(三宮)

※(あっとまーく)を@に置換してください.


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