木材のみからなる軽量パネル


軽い木材をもっと軽くする
木材はプラスチックや金属に比べて軽いのが特徴ですが、これをさらに軽くしたものが「軽量パネル」です。木質軽量パネルは、軽いコアを合板などで挟んだもので、軽い割に曲げ剛性が高いため、家具や住宅部材(ドアや壁)などに多用されています。ただ、コアに木材以外の材料(発泡スチロールや樹脂含浸紙ハニカム)を使った場合には、再生利用が困難になります。また、多くの場合、軽量コアは厚さ方向の力に対してあまり強くありません。


波型単板コアパネル
当研究室では、2009年より、波型単板コアパネル(木質段ボール)の開発に取り組んでいます。これは、薄くスライスした木材(単板)を波型に加工したもので、合板や繊維板などの木質パネルと組み合わせれば、軽量、高強度で、再生利用が容易な100%木製の軽量パネルが作れるため、軽量家具の部材として期待されています。現在、拓殖大学工学部の阿部・白石研究室と共同で、木質段ボールの特性を生かした軽量家具の開発を行っています。


段ボール型CVCとハニカムコア型VHC


木質段ボールを用いた家具の例(拓殖大)


参考
1) 小幡谷英一ほか: 波形単板コアパネルの圧縮特性. 第60回日本木材学会大会, 研究発表要旨集CD-ROM (ISSN 1349-0532), I18-1000, 2010年3月18日, 宮崎
2) 柴沼菜穂ほか: 波型単板コアパネルの圧縮特性(II), 波の形状が圧縮特性に与える影響. 第61回日本木材学会大会, 研究発表要旨集CD-ROM (ISSN 1349-0532), I18-05-1000, 2011年3月18日, 京都
3) 柴沼菜穂ほか: 波形単板コアパネルの曲げ特性. 第62回日本木材学会大会, 研究発表要旨集CD-ROM (ISSN 1349-0532), I15-P-AM10, 2012年3月15日, 札幌
4) 三戸部健ほか: 波型単板コアパネルの開発と家具への適用~波型単板コアパネルの成型方法と機械的強度~. 第59回日本デザイン学会研究発表大会概要集, 9-16, 2012年6月22-24日, 札幌
5) N.Shibanuma et al.: Mechanical properties of corrugated veneer-cored panel. IUFRO Conference Division 5, Forest Products, p.227, 2012年7月8-13日, Lisbon (Portugal)
6) 小幡谷英一ほか: 波型単板構造体の圧縮強度. 木材学会誌 61(4), 268-273 (2015)


トップページに戻る

奏者向け情報

アルバム

お問合せ