眼瞼指標の非接触計測による反応速度推定
精神運動覚醒度検査(Psychomotor Vigilance Test: PVT)は眠気操作(断眠、睡眠制限など)に対して感度が高く、眠気に伴うパフォーマンス低下を評価する方法のゴールドスタンダードとして使用されてきました。しかし、PVTを実施中に他の作業を実施できないという課題がありました。そこで、非接触型のアイトラッカーやウェブカメラによって計測できる眼瞼指標のみを用いて、PVTの評価指標である反応速度を未知の集団に対しても高精度で連続値推定する技術の開発に成功しました。従来技術では眠気検知が困難であった状況や集団に対しても本技術が有効であることが期待されます。この技術を応用し、運転時眠気を検知する技術を確立することで、眠気による事故の防止を目指します。さらに、学生やeスポーツ選手、オフィスワーカーなどを対象とした簡便な覚醒度評価技術の確立も目指しています。この技術を用いて覚醒度の理解と防止に向けた研究を進め、安全で生産的な社会の実現を目指します。