私の研究について
My Research Activities






  • 主な研究テーマ

    1. 大気エネルギーの3次元スペクトルの成因:  Tanaka (1985)がノーマルモードエネルギー論 により発見した総観規模擾乱の乱流的エネルギースペクトル。 E=mc^2 の関係になる。数値シミュレーションにより定量的に検証。 (Tanaka et al. 2004 参照)
    2. 大気大循環のスペクトルエネルギー論:  膨大なモデル大気データがあり、それを解析する必要がある。 (1) NCEP-NCAR data, (2) JRA-25 data, (3) ERA-40 data, (4) NCAR CCM2 data, (5) MRI data, (6) CCSR-NIES data, (7) AFES data のデータ解析。 (Kung and Tanaka 1983 参照)
    3. 北極振動の研究: 北極振動の数値モデルによる再現実験。 (Tanaka 2003 参照)
    4. 半球的異常気象の研究: 半球規模のアノマリを定量化し、異常気象の発現理由を検証する。 (Tanaka and Matsueda 2004 参照)
    5. 極域気候とその変動の研究: アラスカ大学のJ. Walsh との共同研究テーマであり、 1995年・2001年の和達国際会議後も継続する。 極域の異常気象の解析も含まれる。
    6. 気象研究所大気海洋結合モデルを用いた気候変動の研究。 MRIモデルを用いた研究。難しいが将来性のある課題である。
    7. 全球拡散モデルによる温室効果気体の輸送プロセスの研究。 資源環境研究所との共同研究。
    8. 大気大循環のノーマルモードエネルギー論: Tanaka (1985) により開発された新しいエネルギー解析法。 継続研究が望まれる。 (Tanaka 1988 参照)
    9. 鉛直ノーマルモードを用いた鉛直スペクトル間のエネルギー流 の解析的研究。
    10. 対流圏突然昇温の研究:  突然昇温は成層圏特有の現象と信じられてきたが Tanaka and Milkovich(1990)により対流圏でも その存在が発見された。
    11. 気候変動における外的要因と内的要因の分離:  外的強制がなくとも大気固有の変動により気候変動が生じる。その 大きさを1000年の数値シミュレーションにより定量的に検討する。 季節変化がどのように変調されるかという問題も扱っている。
    12. 南北両半球における傾圧不安定の比較:  任意の基本場における傾圧不安定問題を全球プリミティブ方程式系で解く。 (Tanaka and Tokinaga 2002参照)
    13. 傾圧不安定のパラメタライゼーション: この問題は大気 モデルの二次元化のために重要で長い歴史があるが、Tanaka (1991) はこの問題を扱った。もっと本格的にやれる。
    14. 対流圏プラネタリー波の増幅問題: 大気のブロッキング と成層圏突然昇温の問題の共通原点はここにある。 北極域オゾンディプレッションの問題とも関係。 (田中 1984 参照)
    15. 大気のブロッキングの数値実験: 田中研究室の永遠のテーマである。 (田中 1991 参照)
    16. 地衡風調節と重力波の伝播の数値シミュレーション: (Tanaka and Kasahara 1992 参照)
    17. ロスビー波砕破の数値シミュレーション: 最近話題を呼んだ重力波砕破の研究の次はロスビー波砕破の問題である。 大気エネルギーの3次元スペクトルの成因と関係している 可能性がある。(Garcia 1991; Tanaka 2004 参照)
    18. 傾圧不安定波のライフサイクルのシミュレーション。 ロスビー波砕破の問題とほとんど同じ。外力で増幅させるのでなく 波自身の不安定で砕破させる。 (Tanaka 1995 参照)
    19. 火山灰追跡拡散モデルPUFFの開発: 大気中の火山灰に航空機が突入すると大災害になるにも かかわらず、学際的研究の穴場であまりやられていない。 JALの運航管理システムで活躍中。
    20. 森林火災拡散モデルの開発: PUFFモデルを森林火災の煤煙に応用。 二酸化炭素循環と関係し、重要なテーマとなりつつある。
    21. モンスーンに伴う水と物質循環: 黄砂の長距離輸送モデルの開発もこの研究課題に含まれる。
    22. モンスーンに伴う収束・発散場の季節変動: 対流圏上層発散場の季節変動の解析により、モンスーン循環、 ウォーカー循環、ハドレー循環に伴う上層発散場を分離することにより、 これらの循環強度を定量化する試みは興味深い (Tanaka and Ishizaki 2004 参照)。
    23. 局地風の数値シミュレーション: 地上風の分布を上層風から推定しようというもの。 気象庁の予報値と組み合わせると、リアルタイムで局地風がわかる。
    24. 北極圏ヘイズの数値シミュレーション: 北極圏の大気は綺麗かと思ったらヘイズだらけ。 アラスカ大学のDr. Shawとの共同研究。
    25. 鉛直速度オメガの計算法の開発: 周波数切断を導入して、連続の式から オメガを計算する新しい手法がある。 (気象研究ノート189号)
    26. POP-PIP解析による傾圧不安定波の抽出: 新しい統計的手法である。 Max Plank Institute の Schnur がPOP解析コードを 最近送ってきてくれた。


  • 研究教育活動

    筑波大学名誉教授。筑波大学第一学群自然学類卒業、同地球科学研究科中退、 米国ミズリー大学コロンビア校大気科学教室博士課程修了1988年Ph.D取得。 1981年ミズリー大学大気科学教室主任研究員。1988年アラスカ大学地球物理学研究所助教。 1991年筑波大学地球科学系講師。2001年同助教授。2005年同教授。 2018年生命環境科学研究科長。 2023年定年となり名誉教授。 1994年から2016年まで日本気象学会常任理事。気象集誌編集委員長。SOLA創刊号編集委員長。 著書に「偏西風の気象学」成山堂 2007年、「地球環境学」古今書院 2007年、 「はじめての気象学」放送大学教育振興会2015年、「地球大気の科学」共立出版2017年、 「Modal View of Atmospheric Variability」Springer, 2020。 高校教科書「地学基礎」実教出版 2012-2024年。NHK高校講座「地学」放送講師 1995-2004年。 放送大学「はじめての気象学」放送講師 2015-2026年(予定)。





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