木曜セミナー・大気科学特別セミナー 日程表

 

2019年度

 

        1121日(木)15:1516:30   総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:高野真之(みずほ情報総研)

タイトル:環境分野のコンサルタントの仕事と研究への係わり

要旨:民間シンクタンクの環境コンサルタントとして主に気候変動・影響・適応に関する業務に従事してきた経験を基に、環境コンサルが官公庁事業や研究者とどのような係わりがあるのか具体的な事例を交えつつ紹介します。

 

        1114日(木)15:1516:30   総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:前田修平(気象研究所)

タイトル:季節予報の展望

要旨:交通政策審議会気象分科会は、20188月に気象庁に対して「2030年の科学技術を見据えた気象業務のあり方」を提言した。その中で、目標のひとつとして「気候リスク低減、生産性向上に資する数ヶ月先までの予測精度向上」を掲げ、取組みの具体的内容として、@2週先までの顕著現象(極端な高温、低温に加え、暴風、大雪)の予測情報を提供、A1ヶ月先までの熱波/寒波等による極端な高温、低温の発生する可能性を週ごとに予測、B3ヶ月先の冷夏/暖冬等の極端な高温低温を現在の1か月予報と同等の精度で予測、を挙げた。本セミナーではこの提言の背景となった、数値予報による季節予報技術の現状と今後の展望について述べる、、、季節予報の未来は明るい。

 

        1011日(金)16:4518:00   総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:ドアン グアン ヴアン(計算科学研究センター)

タイトル:東南アジアの都市気候と数値モデルの研究

要旨:これまで行ってきた,東南アジアの大都市が降水に与える影響と将来都市気候予測の研究成果を紹介します.このほか,多層都市キャノピーモデルを中心とした数値モデルの開発の状況も紹介します.

 

        912日(木)15:1516:30     第一エリアE203

講演者:岡顕(東京大学大気海洋研究所)

タイトル:海洋深層循環と氷期の気候変動

要旨:海洋深層循環と呼ばれる、海洋の深層と表層をつなぐ全球規模の循環は、熱輸送および炭素などの物質循環を通じて、気候形成に大きな役割を持っています。氷床コアデータによると、氷期において最大10度程度の温暖化イベントが数千年程度の周期で何度も起こっており、その要因は海洋深層循環の変動によるものではないかと考えられています。セミナーでは、氷期における海洋深層循環、海洋物質循環の数値シミュレーションについて話題提供を行う予定です。

 

        96日(金)15:3017:00      総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:井田寛子

タイトル:気象災害の報道について

内容:長年、お天気キャスターとして報道に携わった経験から、重大な気象災害が発生した際の報道についての心構えや注意すべきことなどを解りやすく語っていただきます。筑波大学のOBOGとして活躍する井田さんは、大学の公式イベントでも司会等で活躍されています。講演会は学生や大学院生を対象としますが、どなたでも参加可能です。大勢の参加をお待ちしております。

 

        1 (Thu) August 3:15PM4:45PM           Advanced Research Bldg. A110

Speaker: Kaiming Hu (Institute of Atmospheric Physics, Chinese Academy of Sciences)

Title: Some new finding about ENSOs impact on East Asian summer climate

Abstract: The summer rainfall and surface air temperature has large interannual variability in East Asia, which can cause serious flood and heat wave events in this densely populated region. For example, a major flood in the Yangtze River in the1998 summer disrupted socio-economic activities and caused loss of lives. Long ago, some meteorologists have found that the variability of East Asian summer climate is partly related to ENSO. In post-El Nino summer, a large-scale anomalous anticyclone (AAC) often establish over the Indo-subtropical Northwest Pacific, which is considered as the key bridge to link ENSO to East Asian climate. Recently, we found that the confluence between westerly monsoons and easterly trades favors for the development of AAC, as the AAC easily gain kinetic energy from the mean flow in the confluent zone. This likely explains why the AAC pattern is the dominant recurrent pattern in the Indo-Northwest Pacific. In addition, we found that the El Nino-induced AAC pattern can cause robust rainfall anomalies on the south face of mountain ranges east of Tibet via orographic lifting effect, to affect more than 100 million people. In this presentation, I will talk about these new finding about how ENSO impact on East Asian summer climate.

 

        718日(木)16:4518:00     総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:高見昭憲(持続環境学専攻/国立環境研究所)

タイトル:国内大気汚染の歴史と現状

要旨:近年大気汚染物質の濃度はかなり低くなってきました。しかし以前はかなり高い時期もありました。明治以降の大気汚染の歴史を概観するとともに、現在の状況と課題について紹介する。

 

        711日(木)15:1516:30     CCS国際ワークショップ室

講演者:川畑拓矢(気象研究所)

タイトル:雲解像データ同化システムを用いた局地豪雨の研究

要旨:まずデータ同化理論の基本的な解説を行い、それから積乱雲や組織化されたメソ対流系を直接表現可能な雲解像データ同化システムを用いた積乱雲の発生・発達過程やそのカオス性についての研究を紹介する。

 

        620日(木)15:1516:30     総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:菅田誠治 (持続環境学専攻/国立環境研究所)

タイトル:大気汚染を通して見る国と地方自治体

要旨:2013年初頭にPM2.5が世間を賑わせたことを特に若い皆さんだと憶えていないかもしれませんが、その頃から、大気汚染について地方環境研究所と共同研究を行ったり、マスコミの問合せに対応したり、国や自治体の検討会等の委員をしたりという機会がグッと増えました。

それらの研究内容を通じて最近の大気汚染状況を紹介しつつ、私目線での国や自治体の状況をお話ししたいと思います。

 

        613日(木)15:1516:30     総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:石井正好 (地球環境科学専攻/気象研究所)

タイトル:地球温暖化を測り、そして見通す

要旨:ここ数千年の間に人類が経験したことのない危機に直面しようとしている。戦争でもなく経済破綻でもなく、地球環境の破壊である。この事態をもたらしたのは、人類自らが引き起した地球温暖化であることはもはや否めない。現在、世界の環境学者はまったなしの対策を求めており、現在、いやおうなく迫ってくる地球温暖化にどのように適応していくのか、また温暖化の進行をどのように緩和していくか、それぞれに対する対策が、世界中で進められようとしている。こうした中で、気象学などの地球科学に関わる私たちは何をしなければならないのであろうか。気象研究所における過去の地球環境変動の再現や将来の温暖化予測などの取り組みも交えた最近の研究の一端を紹介する。

 

        66日(木)15:1516:30      総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:永島達也(持続環境学専攻/国立環境研究所)

タイトル:僕が大気汚染の研究をいまだにやっているワケ

要旨:現在の日本に生活していて、大気の汚染を実感することはそうそうないかもしれません。ただ、だからといって大気汚染の研究が必要ないわけではなく、世界やアジアを見渡せば大気汚染の酷い国はまだ多く、実は日本でも大気汚染は過去の問題と片付けられる状況にはありません。更に最近では、大気汚染と気候変動との相互関係や健康などの環境影響に改めて注目が集まっています。今回のセミナーでは、そうした大気汚染研究の過去・現在・未来を概観し、現在私が進めている研究や連携大学院での研究の様子を紹介します。キーワードはLRTAPCTMSLCFです(なんのこっちゃと思った人は当日を楽しみにしていただくか、ググってみてください)。

 

        530日(木)15:1516:30     総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:梶野瑞王 (地球環境科学専攻/気象研究所)

タイトル:福島第一原発事故と放射性エアロゾル

要旨:20113月東日本大震災に伴い福島第一原発事故が起こり、 放射性物質が環境中に放出され、拡散、沈着した。エアロゾルのモデリング技術の発展は原子力工学の発展と密接に関連している。福島原発事故を契機に理解が進んだエアロゾルの大気中での挙動と、まだ残された気象学上の未解明な問題について概説する。最後に、エアロゾルをキーワードとした気象学上のフロンティアについて解説し、発表者が現在取り組んでいる研究テーマや、気象研究所での大学院教育、研究テーマについて簡単に紹介する。

 

        425日(木)15:1516:30     総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:西暁史(地球環境科学専攻)

タイトル:曲部をもつ山脈を越える流れの数値研究 〜局地風「空っ風」の形成メカニズム〜(Numerical Study of the Flow over a Mountain Range with a Convexity: Formation Mechanism of Local Wind, Karakkaze:博士論文公開前発表)

 

        418日(木)15:1516:35     総合研究棟A公開講義室 (110)

講演者:岩田修(日本気象予報士会 専務理事 幹事長)

タイトル:気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)の目指すもの

要旨:近年のIoTAI・ビッグデータ等に関する技術発展により、これらのデータと気象データとを比較し高度に分析する事で、業務プロセス改善や新規事業開拓、生産性向上が期待される。こうした中、産官学の連携によって気象データの利活用を一層促進させるべく、気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)が平成29年度に創設され、先進的気象ビジネスモデル創出や、気象ビジネス推進の為の人材育成など、幅広く活動している。WXBC人材育成WG副座長である日本気象予報士会専務理事がWXBC 2年間の活動と未来への展望を提言する。

 

講演者:酒井重典(日本気象予報士会 顧問)

タイトル:季節予報の上手な利活用に向けて

要旨:日本付近の天候は北極の寒気の動向や偏西風の流れ、あるいはエルニーニョ/ラニーニャ現象のような熱帯域の海面水温や大気の循環場の変動の影響を受けており、季節予報の精度向上の技術的背景としては、このような気候系についての理解が進んできたことがあげられます。力学的手法によるアンサンブル予報によって作成される予測資料を正しく解釈して利活用するにも気候系についての十分な理解が必要です。また、平年の天候からの偏りを予報している季節予報を上手に利活用するためには、平年の各季節の特徴や季節変化についての知識も必要となります。

ここでは、これまでの季節予報技術の進展を振り返りながら、季節予報の上手な利活用に向けてお話します。

 

        411日(木)15:1516:30     総合研究棟A公開講義室 (110)

大気科学分野全体ガイダンス(内部向け;非公開)

 

 

2018年度の日程表