データサイエンスとデータサイエンス普及の取組み

東京大学 数理・情報教育センター
北川 源四郎

科学・技術の研究は19世紀型の普遍の真理の探究を目指したものから,生命や経済・人間社会のように進化し変化するものに拡大し,さらに現在では実空間とサイバー空間が一体となったCPSにまで拡大している.このような背景の中でビッグデータやAIが登場し,データ駆動型の方法論が今後の社会発展の鍵として重要になっている.そして,その実現のために,実験科学,理論科学,計算科学に続く第4の科学データサイエンスが重要になっており,海外ではデータサイエンティスト育成のプログラムが急速に立ち上がっている.

 本講演では,データサイエンティストの要件やその育成の方法を考えるととともに,我が国で始まった数理・データサイエンス教育拠点におけるデータサイエンス教育の取組みや,データサイエンスの全国普及のために標準カリキュラムの設定,共通教材の作成,教育用データベースの構築などを目指すコンソーシアム活動の現状について紹介する.