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2019年度 応用言語学特講Ⅰa |
【Approaches
to Thematic Analysis】
《Types
of Coding》
質的コード化は大きくわけて2種類に分類できる
⑴descriptive
codes
データの説明をするもの。
基本的に、名詞や短い文で端的に表記される。
参加者をグループ分けするために使われることが多い。
Ex)インタビュー参加者の性別・第一言語・言語熟達度など。他にも、インタビューで話している話題や、授業の録音であればその状況(ウォームアップをしているのかグループワークをしているのかなど)なども記される。
⑵interpretive
codes
生徒の行動に対する研究者の判断や解釈も記される。
ただ、この2つ(descriptive
codesとinterpretive codes)の明確な境界線は存在しないため分類は難しい。
他の分け方も存在し、ここでは6つ紹介されている。
①deductive
coding
Start list(RQや仮説、インタビューの話題などを基にした)をデータにあてはめて、それを随時修正していきながら分析をする。
研究者の中で何を観察しているのかが明確であったり、一定の仮説を持てているときに有効である。
②inductive
coding(emergent cording)
事前に分類などはせずに研究をはじめる。
自由に研究できるという特徴を持つ。
最もライティング研究において主要な手法である。
仮説とは異なる結果が出たとしてもここでは許容される。
③in
vivo coding
参加者によって実際に使用された単語や音声などを中心に扱う。
④the constant
comparative method
第1段階:段落ごとや行ごとにデータをじっくり読み込み「ここで何が起こっているのか」をしっかり考え続ける。
データ同士、コード同士、あるいはコードとデータを比べることで、最も頻繁にみられるコードを認識できるようになる(initial coding)
第2段階:第1段階を発展させたものである。第一段階で出たいくつかのコードを必要に応じて組み合わせる。これによってコード化・分類の精度を上げていく。(focused codes)
第3段階:第2段階ででた結果を比較したり、分類を更に細分化したりする(axial coding)
⑤grounded
theory
近年にみられるようになったConstructivist grounded theoryは社会的な要素を加味している。
再帰的にデータを集め、それを随時分析していくもの。
Ex)教師と生徒の関係がどう採点やフィードバックへの生徒の反応に影響を与えるか
⑥Miles
and Huberman’s approach
質的コードにおいて比較的、柔軟に使用することができる。
コードを発展させ、評価し、修正するというのを繰り返す。
First
cycle coding:話題やキーワード、感情、評価などの基本的な特徴を要約する。
Second
cycle coding:上記で得たいくつかのコードをまとめる。
【Issues
involved in qualitative coding】
《Dependability》
妥当性はthematic
analysisにおいて最も大きな問題の1つである。
チェックの方法としては2人の研究者の結果を比較し、すり合わせる方法である(collaborative coding)
これは単に妥当性を高めるのみならず、2人で研究することで考察を深めることも可能にする。
また、コード化したものは参加者にも見せる場合がある。
時によってコード化の一貫性がなくなる可能性があるかもしれない。ただ、毎回毎回、同じデータを同じ方法でコード化する必要はない。それよりも、コードを一種の仮説と捉え、それを順次修正していったりすることが重要である。
《Data
reduction and credibility》
質的コード化において、データが膨大な際には必要不可欠な要素である。
読者は単なる結果ではなく、その要約やそこから得られる考察を必要としている→実験の結果やプロセスを気にしすぎる必要はない。
コード化は当然、分析を重ねるごとに修正をされ進展すべきである。
【Discussion
point】(本文の要旨とは少し離れますが、、、)
特に学校内でのライティングのテスト評価だと、実際のエッセイ以外の要素が評価に影響を及ぼしそうに感じました。(生徒の普段の素行、男女、字の丁寧さなど)
他にも影響を及ぼしそうな要素があれば皆さんの意見を聞きたいです。
また、それに対する対処法がもしあれば同時に聞きたいと思います。