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2019年度 応用言語学特講Ⅰa |
0.point of discussion
・独立変数と結果変数の設定
・内部妥当性を保証するための研究デザイン
1. Experimental Research(実験的研究)の概要
因果関係を決定するために変数を制御および操作する。
・独立変数:操作される条件。説明変数。(フィードバック)
・従属変数:因果関係における結果。目的変数。(文章の精度)
2. Overview of Experimental
Research
2.1-2これまでのL2ライティングの研究の例
研究者名 |
独立変数 |
備考 |
Kuiken and Vedder(2008) |
ライティングタスクの 複雑さ |
学生のエッセイの 言語への影響を見る |
Ong and Zhang(2013)など |
書く・直す行為 |
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East(2007) |
辞書使用 |
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Wiggles-worth&Storch(2009) |
共同執筆か個人執筆か |
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Yang, Hu, and Zhang(2014) |
書く間に考えていることを声に出すデータ収集 |
学生が作る文章への影響を見る |
2.3別の視点から見た独立変数とその研究概要
別視点での独立変数:教育・指導
Zhang(2013)
・結果変数:ライティングの授業における総合的指導の効果
Short, Fidelman, and
Louguit(2012)
・結果変数:プログラムレベルの指導の効果
・学生は長期間様々な種類の授業に参加している。
・指導の結果、学生のライティング能力に良い効果が見られた。
2.4扱う独立変数の違い
大半の研究 |
いくつかの研究 |
テキストの質または正確さ、複雑さなど、テキストそのもの |
書く過程の一部分(実際に見るのは難しい)。内省的方法、遡及的方法がよく利用される。アンケートも使われる。 |
3.Issues Involved in
Conduction Experimental Research
3.1実験的研究の問題点
・独立変数の操作と分離、実際の測定方法の選択が困難(内的妥当性を保証するため)。
・教育と学習に関連する他の要因は無視される。
3.2Operationalizing the
Independent Variable and Ensuring Internal Validity
3.2.1-6独立変数の選択と内部妥当性
・独立変数が相互比較性を産むと妥当性に問題がありうる。
(内部妥当性を確保するために)配慮しなければならない点
・その選択をした説明ができること
・外的(独立変数以外の)要因を排除あるいは少なくする。
・実験していることを被験者に悟らせないこと
Hawthorne effect:日常生活で目立った変化は一時的に行動改善を引き起こすことがある現象。
・同等性が確保できること
→これらが保証できないとquasi-experimentalと呼ばれる。
3.2.7内部妥当性を欠いた具体例
・Hartshornetal et al.(2010):時間的なフィードバック研究ができなかった
・Short, Fidelman, and
Louguit(2012):無作為に被験者を割り振れなかった
3.2.8-9 内部妥当性を保証するための研究デザイン
①反復測定
・参加者が実験グループと対照グループまたは比較グループの両方にいる場合
・独立変数の順序と従属変数に影響を与える外的要因を排除する必要がある。
East(2007)の場合
・半分の学生は最初は辞書なしで書き、残りの学生は最初は辞書ありで書く。
練習したから2回目のエッセイが上手くなった可能性や退屈になってエッセイのクオリティが下がった可能性を解除するため。
・トピックの順序
②仮定されることの記述だけでなく、実際に起こったことの記述も含める
・従属変数が独立変数に関係していることを確認できるもう1つの方法