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2018年度 異文化言語教育評価論 |
Developing Process-Based Lessons from
Listening Tasks
■面白いタスクというのはよいレッスンにおける重要な要素である一方で、学習者の意味処理をサポートする学習活動によって補完されるべきである、
■応用や統合、そして獲得してきた知識を拡張するような活動はリスニングに目的を持たせたり、直接的にするために必要とされてきた。
■プロセス中心のレッスンというのは学習者がリスニング理解を促進し、改善する方法についてよくわかるようなメタ認知的活動を含まなければならない。
Pre-listening Activities
■Pre-listening Activitiesというのは本番のリスニングタスクを行う前に準備段階として行われる。
■理由としては、我々の理解というのは先行知識やスキーマに基づいており、pre-listening activitiesによって既存知識を呼び覚まし、リスニングタスク中における新たな知識獲得を援助を行う。
■以下に三つの機能を記述する。
1. Language Orientation
■言語的機能を備えたpre-listening tasksというのは、学習者に流れてくる単語を予測しやすくすることで、不安を軽減する働きがある。
■目にして理解できる単語だとしても話言葉だとわからないといった問題が学習者がよく直面する問題であるが、pre-listening tasksは学習者に単語認知や語彙の区切り(分割)[segmentation]を理解しやすくしてくれる。
2. Knowledge Generation
■リスニングというのは活発で構造的なプロセスのため、必要な背景知識を持つことでテキスト解釈をおおいに高めてくれる。
■知識の適応(knowledge orientation)を伴ったPre-listening
活動は関連するスキーマの活性化に役立ったり、学習者がタスクに必要な知識を獲得する手助けとなる。
3. Strategy Activation
■多くの学習者にとって、リスニングは意識的かつ戦略的なプロセスである。
■Process-oriented activities は学習者がタスクやテキストのタイプに必要な技能やストラテジーの計画や準備の補助となる。
■Prediction activitiesというのがストラテジーを活性化させる活動の例として挙げられる。
■Figure9.5では一般的なPre-listening taskの例が示されている。
Post-listening
Activities
■Post-listening activitiesというのは、コミュニカティブなリスニングの結果を拡げるためのリスニングタスクの後に行われる。
■特に聞き手の反応が空欄を埋めるといったリスニングの際に人々が通常行うものでないときに、総体的なリスニングの真正性を増加させるのに役立つ。
■また、学習者が耳に入るインプット内で特殊な言語に気づく機会を提供してくれるため、目標語の総体的な習得の促進を手助けしてくれる。
■Post-listening activitiesはさらに反映と評価も含まれている。
Meaning
Elaboration
■リスニングというのはそれを行う目的がある際に意味を持ち、この目的というのはリスニングを通じて知識や情報を得たいという目標を達成することに関連する。
■Meaning elaboration activitiesにより学習者はライティングやスピーキングといった自分の思考を表現することによって学んだものを応用、統合、評価を行うことが可能となる。
■言語発達の観点から見ると、同時に学習者にライティング・スピーキングスキルを発達させる機会を与えている。
■リスニングテキストというのは重要な情報・知識源でもあるのでpost-listening activitiesを通じてオンラインや紙媒体で読むことでその内容を吟味するようになるだろう。
■こうすることで、リーディングスキルの向上といった他のスキルの向上の手助けにもなる。
Language
Analysis
■リスニングは総体的なL2習得に重要で、タスク用に選ばれたテキストは役立つが、処理容量に限りがあり、また言語ではなく主に意味に焦点を当てているため深い学びには不十分である。
■言語に焦点を当てることで、意味から言語的側面に注意を向かせることができる。
■学習者は必要回数、テキストを聴いた後に教師は言語学習を促すように形式や特徴(例えば、新出語彙や見慣れない単語など)を掘り下げることができる。
Evaluation
and Planning
■このようなpost-listening activityのタイプははっきりとしたメタ認知的な強調を持つ。
■学習者は良くできたものと改善が必要なものを理解するといった経験の反映が重要である。
■Post-listening 段階でのEvaluation and Planningアクティビティはリスニングプロセスの理解を高めることを意味する。
■リスニングの経験の反映というのは問題理解の方法の模索や将来学習へ向かわせること、そして経験から生じるネガティブな感情を管理する手助けとなる。
■Post-listening アクティビティのタイミングというのは少なくとも二つの要因に依存する。
■一つ目はレッスンの長さであり、このアクティビティはリスニングタスクの後すぐに行われ宿題として続いたり、他の授業での開始時に行われたりする。
■二つ目は、アクティビティの特徴や需要であり、短時間で終わるものあれば時間が必要なものもある。
■より長いものは分割して行うこともでき、特に四つの言語技能の統合を強調するプログラムに適するようにしなければならない。
Lessons
that Promote Authentic Listening and Metacognitive Awareness
■教員はレッスンをデザインする際に何が必要で、いかにしてリスニングの様々な側面をレッスンやユニットに応用することができるか。
■一つは学習者に練習してほしいスキルやストラテジーを決定することで開始し、プランを作る。
■もう一つは、テキストを選び、それで何をすべきかを決め、そしてその目的を達成するために使用するアクティビティを計画することである。
■レッスン中は学習者にリスニングを行う目的を明確にしたうえで、レッスンやユニットごとに適切な目標設定を行う。
■Figure9.6ではリスニングタスクの後に使用されるmeaning elaboration activitiesにおけるコミュニケーションの目標が示されている。
■教師はリスニングを行う理由とリスニングで獲得した知識をどのように活用するのかを学習者に対し、明示しておくことが重要でそうすることで、より理解しやすくなったり、タスクに取り組もうとする。
■”Lesson” という専門用語はここでは設けられた継続時間を超えて行われたり、機能的で同義に基づいたマナーの中で学習者が従事する一貫した学習活動のユニットを参照するために使用されている。
■しかしながら、その継続時間というのは、異なる学習する文脈や必要事項によって拡がるかもしれない。
■Figure 9.7では、8段階から成り、レッスンのコミュニケーションの目的とリスニングを行った結果から始まるリスニングレッスンをデザインするプロセスが示されている。
■自分自身のレッスンを作らず、規定のマテリアルを使用する教師はFigure 9.8を参照することができる。
■Figure9.8には、レッスンやユニットで学習者が行うリスニングの経験において真正性の程度を評価するための質問のリストが含まれている。
■Figure9.8の質問に対してNoと答えればより適切なマテリアルへと向かう質問に進むことになる。
■結論付けるために一貫した全体の構成する要素がいかに異なるかをデモンストレーションするために三つのレッスンのアウトラインを示す。
■Figure9.9はone-way listening lessonのアウトラインを示している。
Figure
9.9
■何らかの脚色を必要とするため、adult learnersよりもadolescent learnersの集団のほうが適しているであろう。
■また扱う物語のレベルを調整し、多くの補助となるものを含めることでyoung learnersにも使用することが可能である。
■Adult learnersには抑制的になってしまうかもしれないので、post-listening アクティビティは短い物語や映画にレスポンスを書くといった個人タスクになるであろう。
■Figure9.10では、interactive listening lessonのアウトラインが示されている。
■これは低熟達度の学習者向けで、学習者がリスニングやインターラクションの準備やサポートを受けれる多くの段階を含んでいる。
■インターラクションというのは構造的で予測できるものであり、学習者は次にどんな内容が発せられるのかを聴く準備を行うことができる。
■また、教師はストラテジーの使用に伴った言語で手助けすることも可能である。
■例えば、教師が学習者に対し、話者へ繰り返しや詳細を求める質問の仕方をわかりやすい言語で教える。
Figure
9.10
■最後にfigure9.11ではone-way listeningとinteraction
listening taskが一度のレッスンでいかに統合ができるかを示している。
■このプランは熟達度の高い学習者群で効果を発揮し、終えるのに時間を要する学習者群にはpost-listening activityを次の授業に延長することもあり得るだろう。
■全三種のレッスンのアウトラインにおいて、焦点は学習者のためにオーセンティックなリスニング経験をすることができるpre-and post-listening activitiesやタスクの使用である。
■レッスンのPre-and post-listening の段階では理解のためのストラテジーの使用や学びの反映を手助けする活動を含むことでメタ認知的発達の機会を得ることができる。
■こういった特徴は定期的になされるのが好ましい。
Summary
■教えることというのは初心者がスキルを学んだり、専門家のインプットや土台、ガイダンスといったものの手助けとともにある知識を獲得していくプロセスである。
■様々なone-wayやinteractive listening taskの使用は学習者がコミュニケーションおよび学習ツールとしてリスニングにフォーカスする助けとなる。
■リスニングタスクの使用の全体的な目的というのは、リスニング教授を促進し、学習者による奇妙な内容理解を避けることである。
■このようなアクティビティにより、学習者の意識を上げ、先行知識を活性化させ、言語知識を高め、そして理解と言語タスクを統合させてくれる。
■そうすることで、教師は学習者に理解や全体リスニングの発展を改善するために内的な資源と外的なものの使い方を示している。
■コミュニカティブタスクから発展したプロセス中心レッスンというのは学習者のリスニングプロセスの解明につながる。
■学習者がリスニングプロセスを認識するとき、彼らは自信を持ったり、モチベーションを高めたり、そして熟達したL2学習者になっていくだろう。
■規定のマテリアルを使用する教員はリスニングをより、オーセンティックな経験にするためにマテリアルを応用し、メタ認知的知識やストラテジーの使用を促進することができる。
Discussion
Question
4.
Read the following paragraph
that has been abstracted from a newspaper report. It is lexically dense,
contains complex grammar structures and each sentence is long. If a teacher
were to read this text aloud in a listening task, the linguistic features just mentioned
would affect processing of the information. In other words, it is not a
“listenable” text for the language classroom. How would you edit this text to
make it more like a spoken text so that the listening experience for the
students can be a more authentic one?
Heavy snowfalls forced some of Europe’s busiest airports to close
and wreaked havoc on roads and railways on Wednesday as an unreasonable cold
snap swept the continent, claiming at least 15 lives. Transport chaos hit the
whole of the continent as the snow spread, and Britain—shivering in the
earliest widespread snowfalls of winter since 1993—was one of the countries
worst affected. Part of the motorway orbiting London, one of the busiest cities
in Europe, was shut and there were severe delays on north–south routes, while
serious accidents were reported on the main road between Prague and the eastern
Czech city of Brno.
Some of European busiest airports was
closed. Because heavy snowfalls happened and caused calamity on roads and
railways on Wednesday. An unreasonable cold weather swept the continent. At
least it was reported that 15 people died. Transport chaos hit the whole of the
continent as the snow spread. And Britain was one of the countries worst
affected. It was shivering in the earliest widespread snowfalls of winter since
1993. London was one of the busiest cities in Europe. Part of the motorway was
shut. While serious accidents were reported on the main road between Prague and
the eastern Czech city of Brno, there were severe delays on from north to
route.
Group A
Orbitingといった慣れない単語、one
of the busiest cities in Europeの埋め込み文を無くす。Asといった多義語をより具体的に他の接続詞に置換する。因果関係を原因、結果という順番で書き換えていく。固有名詞はそのままの形で残してもよい。
Group B
日本語の語順と同じように従属節、主節という順番に置き換える。また、音声化できない記号、例えば, (カンマ)や-(ダッシュ)の部分を無くして、異なる英文に書き換える。
Group C
一文目のForceという単語はリスニングで意味を解釈する際はわかりにくい。また、学習者に聴かせて理解を促すためには文全体をダイアログにしたり、この内容を聞く人はどう感じるかを考えさせるといったことが挙げられる。
5
Select a unit of work with a
listening component from a course book. Evaluate the material based on the
questions suggested in Figure 9.8. Suggest how you might adapt the materials,
if necessary, so that the listening experience for the students.
6
Based on the structure of a
lesson outline presented in this chapter, prepare a lesson for a group of
learners of your choice. Where possible, include more details about the text
and the task used for this lesson.