応用言語学特講Ta 4/24ハンドアウト

                                                R.T.

導入編 pp4-13

スピーキング指導のQA

Q1 グローバル化においてスピーキング能力の育成はどのような意味を持つのか。

A.    グローバル化に伴い、私たちは「知識基盤社会」に生きているといわれている。「知識基盤社会」の中では私たちを取り巻く物事が地球規模でつながり、一国単独の努力では解決できない問題が出現し、その解決策を地球儀的視点で解決しなければならない状況が進行している。経済協力開発機構(OECD)は、「知識基盤社会」で求められる能力を、1,社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する力 2,多様な社会グループにおける人間関係形成能力 3,自律的に行動する能力 の3つに定義している。これをかいつまんで説明すると、知識や技術を「習得」し、様々な場面で「活用」できるまでにすることが大切である。これらの実現のために世界の学校や組織では真に質の高いグローバルリーダーの育成が行われており、英語スピーキング能力育成の重要性が増しているのだ。

 

Q2 スピーキング力とはどのようなものか。また、どのような能力が必要か。

A.    スピーキング力とは、話の展開を意識しながら相手を考慮し、情報量を調節しながら相手に伝えたいことを伝える力である。スピーキングを円滑に進めるには、話の流れを理解し、背景知識を用いながら相手とうまくやり取りする技能も必要となってくる。技能的なところでいえば、情報に関する話題管理、発話の順序取り、語彙や表現、文法の選択と意味交渉などが挙げられる。また、スピーキング能力の育成には上記の事柄のほか、リスニング力も大事になってくる。相手の言うことを正確に聞き取り、うまくコミュニケーションをとる必要がある。これらを長い目で継続的に伸ばしていくことが必要になる。

 

Q3 スピーキングを困難にさせるものにはどのようなものがあるか。

A.    ここでは4つの要因が挙げられている。1つ目は英語を話す際の動機や不安、地震、コミュニケーションの意思といった学習者要員、2つ目は話題によって背景知識が足りず、自分の考えを伝える流暢さが低下してしまう認知的複雑さ、3つ目は複雑な語彙や構文を使うときに脳内での処理に時間がかかってしまう言語的複雑さ、そして4つ目が相手が話すのが早すぎて聞き取れない、複数の参加者がいて会話に入っていけないなどといったコミュニカティブストレスである。しかし、スピーキングを困難にさせる要因は促進させる要因と表裏一体なので、スピーキング力を育成することが困難の克服につながる。

 

Q4 コミュニケーション、またコミュニケーション能力とはどのようなことを指すのか。A. コミュニケーションとは、単なるメッセージのやり取りではなく、人と人の心の交流によってメッセージを交換し、お互いに意味を創出しながら関係を築くことだ。また、コミュニケーション能力とは音声・単語・文法の能力である文法能力、一文以上をつなげる能力である談話能力、社会的に「適切」な言語を使う社会言語能力、問題が起こった時に処理する方略的能力の4つが定義されており、いずれにしても言語の仕組みを理解してまとまった文章であらわす構成能力、相手の話題や内容に応じて相手の意図を理解しながら適切に言語を用いる語用能力の両方が必要になる。

 

Q5 コミュニケーション、スピーキングの種類とタスクにはどのようなものがあるか。

A.    コミュニケーションタスクは互いの意見を交換する意見交換型タスク、相手の顔を見ないで電話機を持ち、週末の予定を立てたり、メッセージを伝えたりする電話での会話など、様々なものがある。

また、スピーキングは以下の2つに大分される。

発表:英語を用いて話したり、発表したりするレシテーション、スピーチ、プレゼンテーション、劇・ドラマ

やりとり:ペアやグループでやり取りを中心に行うスキット、ロールプレイ、インタビュー、ディスカッション、ディベート

 

 

ディスカッションポイント1:スピーキング力の効率的な向上の方法はどのような方法があるか。

 

・日常的に英語を話す。英語に触れる機会を増やし慣れる。どうやって日常的に英語に触れる機会を作るか?

・ネイティブの人と話す。

・リスニング力をつければ相手の話す内容が理解でき、スピーキング力の向上につながる。

・英作文の能力を鍛えることでスピーキングも流暢になる。

・これまでのインプット中心の教育から、アウトプットの比重を増やす。