児童が英語に楽しく触れ、慣れ親しむ活動―クイズ―
人文・文化学群人文学類3年
20150003 Y.A.
1. 望ましい活動の条件と活動の選択・開発の視点
・外国語活動は「楽しい活動」が大前提であり、学習する表現を使ったクイズやゲームなど、児童が楽しみながら表現や語彙を声に出して使い、慣れ親しむことができる活動を準備することが重要である。
・こういった活動の選択・開発にあたっては、児童が「楽しい」と感じる活動の条件を理解しておかなければならない。
・この「楽しい」とは発見の喜びなどの知的好奇心が満たされること、充実感・満足感・達成感が得られることである。
・これらがどのような活動で得られるかは児童それぞれの発達段階や学習段階、そして興味・関心によって異なる。
2.クイズを用いたアクティビティ
・クイズは新教材の導入時に行うことで、児童の新教材への興味・関心を高め、学習した表現や語彙の復習をクイズ形式にすることで遊びの要素を加えたりなどといった用途が幅広い。
2.1クイズの意義
(1)集中して英語を聞く機会となり、聞こうとする態度や聞く力を育む。
(2)未習の表現や語彙が少し含まれていても、理解できる表現や語彙をもとに全体の意味を類推し、答えを導きだそうとする知的活動となる。
(3)「聞く」だけの活動ではなく、答えを言ったり、クイズの種類によって質問をしたり、児童が積極的に「話す」活動となる。
2.2選択、開発、および指導のポイント
(1)児童の興味・関心にあった題材について、基本的に既習の表現や語彙を用いて問題を作成する。
(2)クイズを出す際は、まず普通の速度で、次にゆっくり、また次には表情やジェスチャ―をつけて言う、というように、児童の理解に応じて徐々にわかりやすくする。
(3)答えが分かった児童はすぐに答えを言わずに、全員が答えにたどり着くプロセスを大切にするため、手を挙げることをルールにする。
(4)クイズの答えは口頭で言うだけではなく絵カードを示すような方法で、全員が答えを確認できるようにする。
(5)高学年では児童がクイズを作って出題する活動に発展させるとよい。
具体的な活動:Twenty Questions-20の扉
(1) ねらい
教師の‘‘I
am an animal. Guess what I am.’’という呼びかけに対して児童がその動物の大きさや色などを一般疑問文で質問し、それに教師がYes/No返答だけで答えを当てるクイズである。児童は教師からより多くのヒントを得ようと様々な質問を考えて積極的に発言するため、教師よりも児童の発言のほうが多くなる。
(2) 活動の手順
@活動に使用する一般疑問文の表現や語彙を復習する。
A教師は絵カードを一枚裏向けて持ち、次のように進める。
T:I am an animal. Guess what I am. S3:Are you brown?
S1:Are you big?
T:Yes, I am.
T:Yes, I am.
S4:Do you like honey?
S2:Do you have a long nose? T:Yes, I do.
T:No, I don’t.
S4:Are you a bear?
T:Yes, I am.
(3)指導上の留意点と応用・発展
児童が単語のみで質問したり、表現に誤りがある場合は、教師はさりげなく正しい表現を示すようにする。また、「はちみつって何て言ったっけ?」などといった声が上がった場合は、‘‘What’s hachimitsu in
English?’’という表現を教えて尋ねさせるとよい。
◎ディスカッションポイント
・質問の声が上がらない場合、どのように声を上げさせる方向にもっていけばよいか。
↓
・最初に質問することに抵抗があると考えられるので、最初の質問者として質問ができそうな生徒を指名する。そうすることでクラス全員にどのように質問すればよいかということをつかませることができる。
・質問に使えそうな語彙をリスト化して生徒に提示し、質問文は生徒自身に作らせる。
・上記のようなアクティビティ例のテンプレートを生徒に提示しておく。そうすることでどのように質問すればよいか生徒が理解しやすくなる。
・質問が上がらず静かになったときは、教師自ら自分の特徴を示すことで生徒にヒントを与えることができ、質問しやすい雰囲気を作ることができる。
・‘‘Can you〜’’や‘‘Do you〜’’のような質問の定型文、ヒントとなる絵や題材などを生徒に示しておく。
参考文献
・樋口忠彦・加賀田哲也・泉惠美子・衣笠知子 2013 『小学校英語教育法入門』研究社 p.76、pp.82-84