◎スピーキング活動紹介
学習指導案(小学校)
1.対象:小学校5年生
2.題材:”What color is
it? What color do you like?”
3.題材について
児童が使用している日本語には外来語が多数存在しており、「色」もその1つである。児童はレッド、ブルー、グリーンなどのような英語での色の表し方を知っている。しかしそれはあくまで日本語であり、実際の英語の発音とは異なっている。そこで、英語らしい発音に慣れ親しませ、好きなものについて教師や友達に尋ねたり、身近な色について話したりといった活動を通して、日本語と英語の違いを気付かせると同時にコミュニケーションを図る楽しさを体験させる。
4.本時の目標
(1)話された英語の内容を注意深く聞き、推測しながら活動しようとする。
(2)日本語と英語の発音の違いに気づき、実際の音声に慣れ親しむ。
(3)英語の歌を聞いて、その中で用いられた色を表す語に気付く。
(4)自分の好きな色について伝えようとする。
5.授業の特色
学級担任は、児童とともに英語を楽しみながら学ぶ姿勢を見せ、極力英語を用いて子どもの理解を促す。
6.授業の展開
(1)挨拶・ウォームアップ
a.挨拶と簡単な回答
外国語活動への雰囲気づくりのためにも元気な声で明るく行う。
b.今月の歌 Seven Steps
英語への口慣らしとして、簡単な歌を常時活動として取り入れる。
(2)展開
a.白黒画像と色を関連させた活動
(児童にとって未知の英語を聞くことは負荷が高いので、視覚資料を多く提示しながら授業を進める。)
用意しておいた火災報知機の画像(白黒)を見せる。
T: What’s this?
T: One more time? Let’s check it again.
Ss:あー、あれあれ、火災報知器!
T: That’s right. It’s
a fire alarm.
Ss:A fire alarm.
T: OK. The next
question.
T: This is a fire alarm.
T: This is a fire alarm. What color is it?
Ss:レッド!
T: Very good! It’s red. Let’s check it together.
問題を出すときは、児童の予想と違うものを取り入れると児童の興味・関心を引くことができる。
b.英語の音を意識させる活動と練習
身近なものを認識できたところで、音の違いを意識しながら言う練習をする。
T :カタカナで赤のことを何というかな?
Ss:レッド。
T :そうだね、レッドというね。英語のredと同じかな?どんな風に違う?
Ss:レの音がはっきりしてない音みたい。
Ss:最後の音がカタカナと違うように見えるよ。
T :そうだね、少しカタカナとは違うね。実は、英語のredは日本のラ行の「レッド」じゃなくて「ゥレッド」に近い音になるよ。
ここで必要であれば、「レッド」では舌先が口内の上部に触れているが、英語では口内の上部に触れないことを、簡単な絵を用いて示す。
T: Watch my mouth and listen carefully.
T: Now your turn, let’s try. Are you ready?
Ss:Yes!
(リズムに合わせて)
T: Red.
Ss:Red.
T: Blue.
Ss:Blue.
T: Very good./ That’s right.
c.歌にある色を聞き取る活動
歌の中に出てくる色を聞き取る活動を行う。歌に出てくる色の英語を確認し練習した後、ルイ・アームストロングのWhat a Wonderful Worldを取り上げる。簡単な曲の方がいい場合はRainbow Songを用いてもよい。
T :今日は色をやってきたけど、次は歌の中から聞き取ってみよう。Who is this?
Ss:分からないなぁ。
T: He is Louis Armstrong.
We’ll listen his song.
Please find out four colors in this song.
Are you ready?
Ss:Yes
CDなどで歌を聞かせる。ここで、児童に対して徐々にヒントを出してあげる。
T: OK. What colors did you hear?
Ss:速くて分からなかった。
T: All right. One more time?
Ss:One more time!
T: I see. This time, I’ll give you a hint.
Let’s listen to the song again.
今度は歌に合わせてその歌詞が表す写真を見せる。
T: What color did you hear?
Ss:Green?
T: Very good. Green.
こうして緑、赤、青、白の4色が出てくることを確認する。
d.自分の好きな色
先生が自分の好きな色について話した後で、児童も好きな色を発表する活動。繰り返し尋ねながら子どもの発話を促す。Green.など単語での返答もよいとし、Oh, you like Green.と繰り返しながらやりとりを行う。時間に余裕があれば、このやりとりを児童同士で行わせるとよい。
(3)整理
本授業のよかった点、英語に対して取り組む姿勢などについて話し、学級全体で共有し、次時の英語活動に繋げるようにする。
T: You did a really good job today.
Did you enjoy today’s class?
See you next time.
<ディスカッションポイント>
児童にとって身近なものを題材とする場合の注意点は何か。
・全ての生徒にとってなるべく馴染みが深いものを題材とする(特定の生徒しか知らないようなことを題材にしないようにする)。
・題材が身近であるがゆえに児童がその題材に関する雑談をしてしまわないように注意する必要がある。
参考文献
望月昭彦(編)(2010) 『改訂版 新学習指導要領にもとづく英語科教育法』 246-252頁 大修館書店