応用言語学特講Ta発表資料

人文学類3 R.K.

5. 音声を重視した文法指導:フォーカス・オン・フォーム

 

5.1 フォーカス・オン・フォームの文法指導

フォーカス・オン・フォームズ伝統的な解説式で文法を機械的に練習。実践の場面で使えるようになるのが難しい。

フォーカス・オン・ミーニング英語を使用させてタスクを完成させる練習。タスクはできるが、英語のレベルの向上が難しく、正確性が伸びにくい。

フォーカス・オン・フォームそれぞれの中間に位置し、タスクをこなしながら文法も意識して学ぶ。一方的な教師の説明と練習問題の答え合わせ一辺倒という授業を改善できる。

高校2年の受動態のまとめの授業で、共同学習を取り入れ、インプットでクイズ、インテイクで音読練習、気づきでワークシートとICT(パワーポイント)の活用、アウトプットでクイズ形式を行う。

 

5.3 フォーカス・オン・フォームの手順

             活動を例を挙げて説明この段階では受動文を意識せず、クイズを解くことに焦点を当てる

             語彙指導つまずきが予想される語彙はリストにして与え、クラス全体で口頭練習を行う

             グループ分け…3?4名のグループに受動文で書かれたクイズ短冊を配布する

    クイズ短冊には受動文で書かれた5つの英文と答えとなる写真が印刷されており、配布の際には写真が見えないように折り込んでおく。

             音読指導自分でクイズを出題することを音読の目標にし、四方読み音読練習を一斉に行う

    四方読み音読練習誰が何回目の音読をしているか教員がつかめるよう、1回目は前、2回目は右、3回目は後ろ、4回目は左を向く音読練習のこと。4回目はリード・アンド・ルックアップでできることを目標とする。

             クイズ出題グループで他の3名に英文をリード・アンド・ルックアップで2回読み上げ、他のメンバーが写真を当てる。その際にクラスルームイングリッシュ(英文を繰り返してもらう際のCould you repeat the sentence?)の使用を促す。


 

5.3.2 気づきの活動

             英文リストの配布回答確認の後、クイズに使用した20文が書かれた英文リストと気づきのためのワークシートが与えられ、時制を基準に受動態の分析を行う。個人で行った後、グループで分類を相談する共同学習の形態を利用する。

             分類で気づきの活動受動態を時制に注目させ、整理する。きっかけとなる説明を基本的な文法用語を使用し与える。まずは個人で、次にグループで相談させる。

             教員の説明パワーポイントのアニメーションを活用し、「過去にする際にはどうしたらいいか」「be動詞を過去形にすればいいね」などと問いかけながら表を完成させていく。

 

5.3.3 アウトプット活動

             説明と例の提示各自が5文のヒントを考え、新しいクイズを作ることを宿題とする。次の「ウナギの蒲焼」の例を参考にさせ、次回、小グループでクイズを出し合い、一番良いものをクラスで発表させることを説明する。

             穴埋め「ウナギの蒲焼」の例に、時制に関わる語句をハイライトしておく。時制に対応する受動態の形は何かを確認しながら、穴埋めを完成させていく。

             宿題とし次時に小グループから全体へ最初の5分で自分の作品の音読練習を行わせる。時間内に何回リード・アンド・ルックアップをできるか回数を記録するように指示し、同時に英語の表現に関する質問に対応する。その後、4名の小グループで、それぞれのクイズを出題し合う。各グループの代表がクラス全体に出題する。

 

5.4 フォーカス・オン・フォームの効果

FonFでの授業では、文法項目を実際のコミュニケーションとして使用する機会を与えることができ、授業への集中度が高まり、学習意欲を維持することが容易である。

 

ディスカッションポイント

             日本の英語学習の土壌で、どの文法事項で、どの習熟度の時点で、どのような活動を行うのか

             従来型の指導との連携はどうすればいいか。