2.導入活動:高等学校

 

2.1 オーラルインタラクションの留意点

オーラルインタラクションとはイラストなどの視覚的補助を利用しつつ英語で生徒とやりとりをして語彙・言語材料や題材を導入する活動である。オーラルインタラクションの狙いは英語の音に慣れさせ聴覚像を形成すること、直聴直解の体験を通して全体の意味内容を直感的に把握する能力を育成することである。この活動においては以下の点に留意する必要がある。

・視覚補助を利用する

・単語の音韻情報とその意味が持つイメージを十分に活性化する

・音声を聞かせ「わかる」ことを優先させる

・重要な語と言語材料は自然に繰り返して聞かせ、文字を後に提示する

・重要な語と言語材料は、オーラルワークで発生できるようにする

 

 

2.2 高度な内容の素材の場合

オーラルインタラクションを行うことで生徒の興味関心を引くことができると同時に生徒の理解も向上する。このオーラルインタラクションは、生徒の学習状況をよく理解している教員が計画することが必要である。

 

 

2.3 英語に苦手意識の強い生徒の場合

英語を苦手とする生徒に対しては、教科書の内容を身近な物事と関連付けることでより理解しやすいように工夫することが効果的である。また、クイズ形式を利用することで生徒に活動を楽しいと思わせ、より意欲を向上させることができる。全体を把握させながら語彙を導入することで、読解活動の動機付けとなるように授業を構成することも重要である。

 

 

ディスカッションポイント

1.オーラルインタラクションを用いずに授業の導入を行った場合どのような問題が発生するか。

 ・生徒の興味・関心を引き付けることが出来ない

 ・前もって予習をしてきた生徒のやる気が出なくなってしまう

 ・オーラルインタラクションの狙いである聴覚像の形成ができない

2.テーマにかかわる語を生徒から引き出すという作業は生徒の英語能力の向上に役立っているのか。

 ・英語能力の直接的な向上には役立たないが意欲の向上には繋がる

 ・生徒の語彙知識を増やすことができる

 ・生徒の主体的な学びの促進となる