13.公立・私立小学校における指導事例

13.1 私立小学校での指導事例

(1) 授業と連携したモジュール音声ドリル

 朝の授業始業前などの15分を利用し、帯時間で毎回音声のインプット・アウトプットを行う。この活動は、新出単語のフレーズや会話文などの定着を目的としており、週2回ないしは3回程度実施する。授業時間外にこのような活動を行うことで、授業時には本当の情報をインフォメーションギャップなどを用いてやりとりする活動を中心とすることができる。

 

◎私立小学校における英語指導の流れ

授業内での導入(第1時)→2,3回のモジュールタイムドリル(第1時と第2時の間)→授業内での活動(第2時)

15分のモジュールタイムドリルを3回はさむことで十分に言語材料に馴染ませ、スムーズに情報交換のやりとりができるようになる。

 

(2) Q&Aパターンから自己表現活動へ

 低学年から英語学習をスタートしている私立小学校では、一定の会話パターンを作成しそこから自己表現活動に繋げている。

 

 小学校でのスピーキング指導は楽しくやりとりをする活動、あるいはモデルのあとについて繰り返すドリル的な活動に限定される場合が多いが、丁寧に段階を追って授業を構築し、フォーマットを与えることでその発達レベルに合った発表活動が可能となる。発表活動では自分の本当の情報を英語で伝えられたという達成感を得ることができ、この達成感が学習意欲の向上に繋がる。

 

13.2 公立小学校での指導事例

公立小学校では高学年を対象に文部科学省から配布された共通教科書や視聴覚教材を使って指導される場合が多く、電子黒板の使用や担任とALTとの指導も増えてきている。

 

○ディスカッションポイント

公立小学校においても私立小学校と同様にモジュールタイムドリルを実施するべきか。

<実施すべきである>

・指導として音声のインプット・アウトプットの必要性が高いのであれば、私立と公立で差をつけずにどちらにおいても実施すべきである。

・小さいうちから英語の音声に慣れておくことが重要である。

 

<実施すべきではない>

・公立の小学生に対して授業時間外においても学習を強要するのは酷であり、独しぃおなどといった学習以外の活動に時間を割くべきである。

・小学生は文法を体系的に学習していないため、誤りが起きてしまいやすい。