筑波大学 人文社会科学研究科                                                現代語・現代文化専攻                                           平井 明代研究室



2020年度  英語教育学Ⅶ

 

18章 Test administration

H.I

 

・どんなに良いテストでも上手く実施されなければその結果は信頼性が低く無効となる可能性がある。

→この章は、テストを実施する際に留意すべき点のリストである。

 

【準備】

・テスト実施成功の鍵は、事前の入念な準備にある。

■材料・機器

1. テスト冊子や解答用紙の印刷、またはテスト、ロック解除コード、その他のコンピュータに関連するテストコンテンツのアップロードは、時間に余裕を持って手配する。エラーや不具合がないことを確認する。

2. 使用済みのテスト冊子を使用する場合は、受験者が残したメモ(下線など)がないことを確認する。

3. すべての試験用紙に通し番号をつける。

4. 採点者用に十分な数のキーがあること、またそのキーに問題がないことを確認する。

5. すべての機器(コンピュータ、インタラクティブ・ホワイトボード、拡声装置など)が正常に動作することを、修理や交換の時間に余裕を持って確認する。

■試験官

6. すべての試験官に対して詳細な指示書を作成すること。あらゆる事態をカバーするよう試みるべきである。これらの指示は、試験実施の前日までに、受験者とともに確認する必要がある。考えられる内容の目安は、以下の「試験実施」のセクションより。

7. 試験官は、受験者に読み上げなければならない指示の練習をしておくべきである。

8. 機器(インタラクティブ・ホワイトボードなど)を使用しなければならない場合は、その操作に慣れること。

9. リスニングテストで音読をしなければならない場合は、できれば模範録音(第12章参照)を使って練習しておくこと。

10. 面接(スピーキング)試験官は、使用される試験手順と評価システムを十分に理解しておく必要がある(適切に訓練された試験官のみが参加すべきである)。

■試験監視官(または監督者)

11. 試験監視官に対しても、詳細な指示を準備し、ミーティングを行う必要がある。可能な内容については、「試験実施」の項を参照。

■受験者

12. すべての受験者に完全な指示(どこに、何時に行くのか、何を持っていくのか、遅刻したらどうするのか、など)を出すこと。

13. 受験者一人一人に受験番号をつけること。

■部屋

14. 部屋は静かで、想定される受験者数を快適に収容できる広さであることが望ましい。カンニングを防ぐために、受験者間のスペースは十分に確保すること。

15. リスニングテストの場合、部屋は満足のいく音響環境でなければならない。コンピュータのリスニングテストの場合、すべての受験者に個人用ヘッドフォンが求められる。

16. 部屋のレイアウト(机やテーブルの配置)については、事前に十分に準備すること。

17. 各部屋に受験者全員から見える時計を設置するのが理想的である。

■管理

18. 受験者は、予定時刻より余裕を持って到着する必要がある。

■試験の管理

19. 到着後、受験者は携帯電話の電源を切り、カバンの中に入れるように指示される。その後、すべてのバッグを部屋の一角にまとめる。

20. 遅刻してきた受験者は入室させないこと。実行可能であり、適切と思われる場合は、遅刻者(一定時間まで)が試験を受けられる別の部屋に誘導してもよい。また、受験者の集中を妨げてはいけない。

21. 受験者の身元を確認すること。

22. 可能であれば、受験者は友人同士が情報を交換できる位置にならないような席に座るべきである。

23. 試験官は、受験者が何をしなければならないかについて、明確な指示を与えるべきである。その中に必要な場合に試験監督を呼ぶ方法や、時間前に終了した受験者はどうすればよいかという情報が含まれているべきである。また、カンニングを含む不正行為についても警告し、試験時間中、沈黙を保つ必要性を強調する必要がある。コンピュータベースのテストでリスニングとスピーキングをテストする場合、受験者はテストを始める前に音を確認し、何かあれば試験監督に知らせるように言わなければならない。また試験監督は、このような場合にどうすればよいかを知らされている必要がある。

24. 試験用紙や解答用紙の位置が番号でわかるように、試験監督が受験者に試験用紙を個別に配付し、記録を取ること。受験者は、テスト資料を配布してはいけない。

25. 試験官は、解答用紙やテスト冊子に必要な情報(受験番号や日付など)を記入するよう受験者に指示する。コンピュータを使用する試験の場合は、ログイン名やパスワードを入力するよう受験者に指示する。ロック解除コードを入力し、入力した内容が正しいことを確認する。

26. 紙面や画面に書かれた指示に加え、音声による指示を行う場合、試験官は合意された例を含め、その指示を読み上げる必要がある。

27. 試験官が試験時間を正確に計ることが重要である。全員が時間通りに開始し、時間後に続行しないこと。

28. 試験が開始されたら、試験監督は受験者の行動を控えめに監視すること。不正行為があった場合は、指示された方法で対処する。

29. 試験中、受験者は一人ずつしか退室できないようにし、理想的には試験監督を同伴させること。

30. 受験者が試験監督に指示されたら直ちに作業を中止するようにしなければならない。受験者は、すべての試験紙の回収と番号の確認が終了するまでその場にとどまること。