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2020年度 英語教育学Ⅶ |
Chapter 17
New technology and language testing
H.K
概要
■新しいテクノロジーは我々の生活に大きな影響を与えているが、これは言語テストにおいても同様である。
■本章では、新しい技術の影響が益々大きくなっていることについて、妥当性・信頼性・波及効果・実用性の観点から、現在および将来起こり得る新しい技術の影響について評価する。
■現在および当面の間は、主要なテスト機関においてのみこのような発展した技術を用いたテストが適用されるが、教員も何が可能か知っておくべきである。
■言語テストに影響を与える、あるいは今後影響を与える可能性のある技術において何が主要な発展なのか述べる。
Significant developments in technology
■主要な発展は3つ
1.コンピュータープロセッサーの高速化
2.スマートフォンやタブレット端末といった機器の小型化
3.情報通信分野
■関連する発達には、AI・機械学習・自然言語処理がある。
■自然言語処理とは、コンピューターと人間 (自然) の相互作用に関するものである。
Application to language testing
Individualization of testing
■コンピューターのテストでは、プロセッサーの高速化により計算が高速で可能になることから、項目間においてリアルタイムの個人のスコアの信頼性を高めることが可能である。
■次の項目の難易度がわかるだけでなく、個人の信頼性係数が十分な数値であればすぐにテストを終わらせることができる。よって必要以上にテストを受験することがなく、信頼性が高く、かつ実用的なテストになる。
■ライティングとスピーキングの自動採点は、機械学習がベースとなっている。AI、自然言語処理、機械学習を駆使して、コンピューターは提示される何千ものテストパフォーマンスの例と、経験豊富な何百人の採点者の点数を組み合わせて「正しい」スコアを学習する。
■自動採点は明らかに信頼性が高く、採点者が常駐する必要がないため、実用的である。テスト結果も即座に判明することから、即時フィードバックが肯定的波及効果をもたらす。
■しかし、受験者とコンピューターの対話に基づいて採点されるため、現在は仲間との本物のインタラクションの採点ができないことから、妥当性についての問題点がある。
■通信の発達により、いつでもどこでも誰でもインターネットに接続できればテストを受験できる。そのため、Skypeを使用する口頭面接といった、職業能力開発において益々一般的になっている。(注意点は後ほど)
Authenticity
and variety of materials and tasks
■インターネットでは大量のテキスト・画像・動画にアクセスすることができ、これらの利用は言語テストの真正性・妥当性に大きく貢献することができる。
■コンピューターの操作においては、クリックやドラッグといったことも言語テストに組み込むことができ、次世代の言語学習者であるデジタルユーザーにとっては、信頼性を高めることになる。
Integration
of teaching and testing online
■今後はコンピューターを使った授業がより多く行われるようになると予測されるため、新しい学習が試される教育とテストが統合される機会が生まれるだろう。
■また、テスト結果は次に何をすべきか、テストしたものを再度練習するのか、など決定に利用される。
■クラウド上のコンピューターの利用と、革新的なソフトウェアによって、教育機関はビッグデータと呼ばれる膨大なデータセットの分析をすることで、評価結果によって測定される学習の成功の根底にある要因をもとに、集団・個人の学習改善を可能にする。
Test security
■オンラインでテストを課す場合、実際には誰が受けているのか疑問が生じる。重要なテストでは、そのテストを受験した人が合格しているのかが重要なポイントになる。
■これらを確認するために、以下のようなテクニックが採用されている。
l 顔認証
l 手のひら認証
l デジタル署名
l 監視カメラ
■オンラインテストの開発に伴い、各項目の特性もわかるためランダムにテスト形式を作成することが可能。よって、受験者1人1人に異なるバージョンのテストを提示することができ、受験者の共謀によるテストのコピーの作成・流出を防げる。
Future prospects
■他にもバーチャルリアリティーとロボティクスが技術分野としてある。
■バーチャルリアリティーはすでに語学分野で使用されているが、テストにも追加することは信憑性を高められる。また、将来的には受験者がロボットと会話をして採点される日がくるだろう。
■教師が作成するテストをどこまで活用するかは、どれだけ身近で使いやすいかに依る。
■教師が発展していく新しい技術に追いつき、受け入れる準備ができているか、コンピューターベースの言語教育を作成するスキルを身につける必要がある。
READER ACTIVITIES
1. Consider
the various developments that we have outlined above. Are you aware of others
that may have occurred since we wrote this chapter?
テキストに記載済みのもの…高速化,小型化,通信技術,AI,NLP,機械学習,VR,Robotics,認証方法
その他…
IoT
(Internet of Things) モノがインターネット経由で通信すること
→モノから情報の収集が可能になる
→学校の場合、生徒のテストデータから特定の解きやすい問題あるいは点数の取れにくい問題がわかる。
2. Which do you most welcome, and
why?
個人的にはVRを教育に取り入れてほしい。例えばパンデミックが収まらない限り海外研修は難しいが、VRで現地に行き
(行ったつもり) このご時世ならではの体験型学習に繋がるのではないか。
3. Are there any which are
unwelcome? Why?
ロボットが面接官になることは受け入れられない。対人だからこそ汲み取ってくれる事柄がある中、(今はまだ) 感情を持たないロボットにはそれが伝わらない。
4. Which do you think will hove
most effect on language testing in the coming years?
学校の試験においてAIによる言語テストの作成は可能か不明だが、大手の教育機関であれば取り入れ、実践することが予想される。将来的に学校で適用可能であれば、AIの判断によって受験者の傾向も捉えた設問作成によって、教員の負担軽減にも繋がるだろう。
Discussion questions
1. The text describes the possibility that the
speaking partner will be a robot in the future. Do you agree or disagree with
this?
テキストでは、将来的に「受験者がロボットと対話をして採点される可能性がある」との記載がありましたが、これについてあなたは賛成ですか、反対ですか。理由も合わせて教えてください。
2. The textbook says that getting the results
back immediately after taking the test has a positive effect on the learners.
What is your opinion on this?
テストを受けて即時に結果が返ってくると受験者に肯定的波及効果があると書かれていましたが、これについてあなたの意見を教えてください。
課題:インタラクティブなタスクをすることができるかどうか?