ラムジー、F. P.
Ramsey, Frank Plumpton, 1903-1930
 数学者、哲学者。ケンブリッジ生まれ。ケンブリッジ大学で数学を学ぶ。同校の講師となり数学を教える一方、ラッセル、ウィトゲンシュタイン、ケインズらとの交流の下、哲学の研究を行う。
 「ラムジー理論」と呼ばれる数学の新しい分野を創設し、経済学でも重要な貢献を行った。しかし主たる関心は哲学にあり、論理主義(数学は論理学から導くことができるとする立場)、主観的確率、普遍、信念の意味内容、理論語、自然法則などの問題に関して独創的な考えを展開した。真理に関してはデフレーション主義(pは真である=p、と見なす立場)を採り、これを基礎に真理とそれに関連する諸問題を体系的に論じた著作を執筆しようと試みたが、未完に終わった。
【主要著作】Philosophical Papers, Cambridge University Press, 1990(伊藤邦武/橋本康二訳『ラムジー哲学論文集』勁草書房,1996). On Truth, Kluwer, 1991.
(橋本康二)