AC31011 1単位 標準履修年次2〜4年次 2学期 木曜4時限
 教室:2B206

現代哲学 I
(Modern Philosophy I)
担当教員 橋本康二


■ 主旨
現代哲学の主潮流の一つである分析哲学の古典的な論文を読んで、現代哲学の諸問題を考える。言語、意味、指示、信念、真理、経験、検証、帰納、存在、論理、数学、科学、行為、コミュニケーション、心など様々な事柄について、何が哲学の問題になっているのかを知ることがこの授業の第一の目的であり、論文を読む力をつけることが第二の目的であり、議論する能力を養うことが第三の目的である。なお、取りあげる論文はすべて日本語訳を使用する。

■ 内容
1回の授業につき1本の論文を検討する予定。授業では、最初に受講者全員から疑問や意見を提出してもらい、それをもとにして議論をおこなう。スケジュールは以下の通り。

 9/15 (オリエンテーション)
 9/29 フレーゲ「意義と意味について」
 10/6 ラッセル「指示について」
 10/13 ラムジー「事実と命題」
 10/20 ヘンペル「意味の経験論的基準における問題と変遷」
 10/27 シュリック「事実的ア・プリオリは存在するか」
 11/10 クワイン「経験論のふたつのドグマ」
 11/17 グッドマン「帰納法の新たな謎」

■ 評価方法・基準
論文を読んで疑問に思ったこと考えたことを短くまとめて書き、毎回提出してもらう。この提出状況と、授業中の議論への参加状況をもとにして評価を行う。

■ 参考文献
神野慧一郎(編)『現代哲学のバックボーン』(勁草書房、1991)
竹尾治一郎『分析哲学入門』(世界思想社、1999)
竹尾治一郎『分析哲学の発展』(法政大学出版局、1997)
大庭健『はじめての分析哲学』(産業図書、1990)
服部裕幸『言語哲学入門』(勁草書房、2003)
野本和幸/山田友幸(編)『言語哲学を学ぶ人のために』(世界思想社、2002)
W. G. ライカン『言語哲学』(勁草書房、2005)
飯田隆『言語哲学大全 I』(勁草書房、1987)
飯田隆『言語哲学大全 II』(勁草書房、1989)
野本和幸『現代の論理的意味論』(岩波書店、1988)
内井惣七『科学哲学入門』(世界思想社、1995)
小林道夫『科学哲学』(産業図書、1996)
ティム・クレイン『心は機械で作れるか』(勁草書房、2001)

■ その他
(1)必ず予習してから授業に臨むこと(授業前にあらかじめ論文を読んで、疑問に思ったことや考えたことを短くまとめて書き、受講生の人数分のコピーを作り、毎回の授業で配布しなければならない)。
(2)スケジュール表の論文の最初の数本が収められている以下の本は教科書売り場で販売される予定なので、各自で必ず購入しておくこと。坂本百大(編)『現代哲学基本論文集 I』(勁草書房、1986)。その他の論文の入手法については、授業中に指示する。
(3)初回の授業には必ず出席すること。
(4)オフィスアワーは水4。研究室は人社棟 A819。