歩きながら考える事が、元来好きであった。

言語の研究には、形式主義と機能主義があると思う。身体論にも強い興味がある僕はこのように説明している。人間は2本の足を持っている。これが4足歩行の動物とは違う点で、2足歩行と捉えるのが形式主義者の考え方である。機能主義者はそうは考えない。1本の足だけを地に着けて、もう一方の足を浮かせながら、移動する技術を備えた動物が人間で、これが機能主義者の考え方である。


TOPページは吉野の山桜 僕の卒業論文のテーマの舞台でした。

この上の写真は、インドのスリナガル、大学時代ただただ歩いていてたどり着いたところです。


僕のアカデミックな出発点は、中世和歌であった。卒論、それは決して、内容もアプローチもお話できる水準ではなかったが、わかる範囲の先行研究を引用し、桜の咲く吉野を歩き周り論を書き綴った。しかし、指導教員の「そんな権威主義でどうする」という口述試験でのコメント。自分の道を歩こう、歩かなければと決めた瞬間でした。


好きなことから

 映画が好きなのですが、先日「Singin’ in the rain 雨に唄えば」(1952)を見なおしました。舞台はアメリカ、映画の都ハリウッド。サイレント(無声)映画全盛期に最高のスターGene Kellyと、発音がよろしくないが、美貌の女優が新しい映画を作るのですが、そこにはトーキー(有声映画)の足跡が近づき、舞台裏で美声の新人女優のロマンスを交えて、無声映画時代のパフォーマンスでは限界が来ていることを、ミュージカルを通じて伝えています。映画の中で、俳優たちは懸命に体を使って、タップダンスや、美声を披露します。

 21世紀社会、科学技術の進歩は進んでいます。進むというのは、一面的な見方であって、言い換えれば支配されているとか、影響を受けているということです。街中で、多くの人がスマートフォンを見ている光景は日常になりました。

 そうした中、日本語研究、人文研究を進める上で、今までの規範的な日本語では説明がつかない表現が多多生まれています。また、顔を合わせて話をしていた時代は去り、インターネットを介したコミュニケーションが日常化する中で、表現方法も当然変っているのです。

 美しい日本語と実用的な日本語を鑑み、それを浪漫的に科学的に記述をしていくのが、次世代・異空間での日本語教育に役立つことを願っています。


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小野正樹 

ONO Masaki


1965年、愛知県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科単位取得。現在、筑波大学大学院人文社会科系教授。

博士(言語学)