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 竹利用の重要性

竹は古くから構造材や日用品の材料として使われてきました。しかし、プラスチック製品の普及に伴い、竹製品を使わなくなった結果、管理されないまま拡大する竹林が大きな問題となっています。竹の良さを見直し、その利用を拡大することは、資源・環境問題の解決につながります。当研究室では、竹の良さを活かした利用を目指し、竹の基礎物性について研究を行っています。


竹林整備(筑波大・生物資源科学実習)

 竹の構造

竹の強さは、維管束を取り巻く強靱な繊維(維管束鞘)に由来します。維管束鞘は竹の外側により多く配置され、たわみに対する力を効果的に分担しています。この維管束鞘は、ヤング率E(堅さ)や強度が大きいことから、樹脂材料の強化繊維など、様々な用途への応用が期待されています。

 竹は本当に「しなやか」か?

竹はしなかやだと言われます。一般に「しなやかさ」とは、大きく曲げても折れない(靱性)、力を除くと元に戻る(弾性)、という2つの性質に基づいています。下の図は、竹の棒(B0-I)を曲げたときの力(M)と曲げ具合(I/r)の関係を示しますが、木材(Spruce、Beech)に比べて確かに「大きく曲げても折れない」ことがわかります。

これは、竹の外皮が力を請け負うと同時に、内側の部分が大きく圧縮変形することによります。普通、木材を縦に圧縮すると目に見える形で細胞がずれてしまいます(ブナの場合)。しかし竹の場合は、泡状の柔細胞が徐々につぶれることにより、スムーズに圧縮されます(下図)。

したがって、竹の優れた靱性は、不均一な繊維の配置(下図a)と、繊維−泡複合構造(下図b)に由来すると言えます。

このような竹の組織構造を真似れば、竹のようにしなやかな木材(木質材料)が作れるはずです。これについてはこちらをご覧ください。

一方、一定の歪を与えたあと、どのくらい歪が残るかを調べたところ、竹と木の間に大きな違いは認められませんでした。つまり、竹は確かに曲がりやすいけれども、力を除いたときに元に戻るか(弾性的か)どうかという意味では、木材と大して変わらない、ということになります。